伊勢神宮 内宮

伊勢神宮で一番のメインとなるところが、伊勢神宮の内宮です。
内宮は正式には皇大神宮(こうたいじんぐう)といいます。

ここには、皇室の御祖神で日本人の総氏神でもある天照大御神(あまてらすおおみかみ)をお祀りしています。
神様の中でも最上位にくる神様ですので、一生に一度は参拝しておきたいところですね。

伊勢神宮 内宮 境内の社殿、参拝ルートを解説

皇大神宮 地図

伊勢神宮の境内は上のようになっています。
参拝ルートに沿って、伊勢神宮にまつわるあれこれを紹介します。

内宮神域への玄関、宇治橋の鳥居

内宮前 宇治橋の大鳥居

伊勢神宮 内宮へは、宇治橋を渡って入ります。

宇治橋の両端には鳥居がありますが、この鳥居もじつはスゴいんです。

伊勢神宮は、20年に1度、式年遷宮といって、社殿を建て替えます。
正宮の御正殿だけでなく、十四の別宮や摂末社の社殿、宝物や御垣、鳥居、そして宇治橋までもが新しくなるのです。

その際に、以前の式年遷宮で使われてお役目を果たした御用材は「撤下古材」といって、捨てずに別の場所で生まれ変わります。

そして、一番重要な役割を果たした皇大神宮の棟持柱は削りなおされて、なんと宇治橋の両端の鳥居となって生まれ変わるのです!
宇治橋の外側の鳥居(おはらい町側)は、外宮旧正殿にあった棟持柱、宇治橋を渡ったところにある鳥居(神域側)は、内宮旧正殿にあった棟持柱が使われます。

つまり、20年間見ることのできなかった正殿の柱を、目の前で見たり触ったりすることができるということ!
ずっと神様のそばにいた柱ですから、ご利益がありそうですね^^

また、宇治橋前の鳥居は、冬至をはさむ約2ケ月間、鳥居の真ん中で日の出を拝むこともできますよ♪
この時期になると、カメラ愛好家たちが早朝から集まってくるので、写真を撮るのは難しいかもしれませんけどね^^;

太陽の神を祀る神社の入り口に太陽が現れるなんて、なんとも神秘的ですね。

ちなみに、宇治橋の鳥居は、神宮が作るものではなく、民間から寄進されたものなのだそうです。
なので、宇治橋の鳥居は一の鳥居、二の鳥居とは数えないそうです。

本物の一の鳥居は、宇治橋を渡って、神苑をまっすぐ歩き、火除橋を渡って手水舎の先にある鳥居です。

俗界と聖域をつなぐ宇治橋

宇治橋は純和風の反り橋で、式年遷宮のたびに架け替えられます。
面白いのは、宇治橋の欄干は宮大工が作るのですが、橋の板は船大工が造船の技術を用いて作っているんですよね。

そして、宇治橋にもご利益ポイントがあります。

それが、擬宝珠(ぎぼし)です。

内宮 宇治橋 擬宝珠

橋自体は式年遷宮で建て替えられるのですが、擬宝珠は江戸時代の古いものがずっと使われています。

擬宝珠は全部で16個あるのですが、ご利益があると噂のある擬宝珠は、橋に向かって左手(西詰め北側)の二本目の柱の擬宝珠です。

ここには、「萬度麻」というお守り札が入っています。
「萬度麻」の「麻」はお祓いに際して使うもので、「萬度」は、かつて宇治橋の架け替えに際して神職が十万度以上のお祓いが行われたことに由来します。

お守りは、宇治橋と対面する位置(道を渡って駐車場の横)にある饗土橋姫神社(あえどはしひめじんじゃ)のものです。

宇治橋守護の神様で、饗土(あえど)というのは、内宮に悪しきものが入ってこないよう防ぐための祭りを行う土地のことです。

聖域に入るとものすごく神聖で凛とした空気を感じるのも、このお札があるからかもしれませんね^^

かつては人も住んでいた神苑

宇治橋をわたると松が美しい神苑が広がります。
空気がガラッと変わって、新鮮になるのを感じるはずですよ^^

参道は広く、白く光る玉砂利で埋め尽くされ、緑豊かな光景が広がっています。
神木レベルの大きな木がずらずらっと生い茂っています。

火除橋の手前には、大正天皇が皇太子時代にお手植えされた松もあります。

火除橋を渡ると第一鳥居があります。
ここからが本当の神域に入るのですが、実はきれいな庭園のような神苑には、かつては神主の屋敷や民家、お土産屋などがひしめいていたのだそうです。
今のおはらい町がもっと広かったという感じですね^^

しかし、人がたくさんいるということは、問題となるのは火事です。
そのために火除橋があるのですが、神宮へ延焼を防止することを目的として、明治19年に有栖川宮熾仁親王を筆頭として財団法人「神苑会」が発足します。
そして、民家の土地を買い上げていったのです。
そして1911年に役割を終えて解散したんですね。

そういう経緯があって、今のような神聖な空気が漂う神苑に生まれ変わったわけです。

昔ながらの手水ができる、五十鈴川の御手洗場

一の鳥居の前には、手水舎があります。
どの神社にもある、手と口を清める場所ですね。

ここで清めてもよいのですが、伊勢神宮ならではの手水ができる場所があります。
それが、一の鳥居をくぐって右手側にある「御手洗場(みたらし)」です。

五十鈴川 御手洗場

昔のように五十鈴川で直接手水ができるわけです。

五十鈴川は、神宮の創建に関わった倭姫命が御裳のすそを濯いだことから御裳濯川(みもすそがわ)とも呼ばれており、倭姫命に想いを馳せながら手水ができるのも良いですね。

倭姫命については、倭姫宮のところに書きましたので、よろしければご覧ください。

五十鈴川まで石畳が敷き詰められていますが、これは徳川綱吉の母である桂昌院が寄進したと伝わっています。

滝祭神と別宮

御手洗場のすぐ近くには、滝祭神が祀られています。
滝祭神はぜひ参拝してほしいのですが、目立たないところにあるので、見逃しやすいんですよね。

また、その先には別宮の風日祈宮もありますが、滝祭神と別宮に関してはこちらの記事に書きましたので、そちらをご覧ください。

内宮の四方を守る四至神

伊勢神宮 磐座

参道の途中に、四至神(みやのみぐりのかみ)という磐座が祀られている場所があります。
四至神は、内宮の四囲を守る石神様。

ここの前で、パワーがもらえると手をかざす人が多いんですよね。
でも実は、そういう場所ではありません。

神様をお祀りしている尊いところなので、むしろ手をかざすのは神様に対して失礼に当たります。
なので、「二拝、二拍手、一拝」と、一般的な神社参拝の作法でお参りしましょう。

天照大御神を祀る御正宮

伊勢神宮 磐座

内宮の聖域の一番奥にあるのが、天照大御神を祀る御正宮です。

第11代天皇の垂仁天皇26年にご鎮座して以来2000年ほど経ちますが、その頃と変わらない形の社殿なのだとか。
それは、式年遷宮で常に新しい状態が保たれている「常若」の思想が

忌火屋殿を過ぎると、しばらく大きな木に囲まれた森林地帯に参道が続きます。
ここまで来ると深呼吸が非常に気持ち良いです♪

大木にも触ってみて、木からパワーを得るのも良いですね^^
そしてさらに歩くとやっと正宮に到着します。

第11代天皇の垂仁天皇26年にご鎮座して以来2000年ほど経ちますが、その頃と変わらない姿を拝することができます。
時代を経ても変わらないって、すごいですよね^^

神殿は代表的な神明造りなのですが、正殿内は撮影禁止。
ガードマンがきっちり見張るほどの徹底ぶりですので、参拝に訪れて自分の眼で見てください。

正殿を囲っている御垣内から中の参拝は特別参拝となります。
申し込みは、お金を払えばよいというものではなく、「参宮章」が必要です。

参宮章は、遷宮のための寄付をしたらもらえます。

「なんだ、やっぱりお金じゃないか」

と思う方もいるかもしれませんね^^
でも、あくまで参拝のためのお金ではなく、神宮へのなんらかの貢献、という形じゃないといけないのです。
それをやるためには、三州電で「御造営資金の奉賛」の申込書をいただきましょう。

また、伊勢神宮崇敬会に入会して、もらうことができます。

通常の神社仏閣の特別参拝とは違い、それを知っていないとできないわけですね。

服装にも、注意点があります。
男性は背広・ネクタイ、女性はスーツ等フォーマルな服装でなければいけません。
きちんとしておかないと、せっかく訪れたのに、お断りされてしまう人もいるので要注意。

詳しくは、伊勢神宮崇敬会の公式サイトをご覧ください。