「お伊勢さん」で親しまれる伊勢神宮。
皇室と深いかかわりのある、由緒ある神社です。

伊勢神宮にはメインとなる場所が2つあります。
1つは天照大御神を祀る皇大神宮(こうだいじんぐう)
通称、内宮(ないくう)と呼ばれています。

そしてもう一つが、豊受大御神を祀る豊受大神宮(とようけだいじんぐう)
通称、外宮(げくう)と呼ばれています。

今回は、外宮外宮の見どころを紹介します。

伊勢神宮の参拝は外宮から

5キロほど離れた場所に鎮座しているのですが、観光では主に内宮だけ参拝する方が多いようです。
確かに、内宮は日本の総氏神を祀っているわけですから、優先したいですよね。
それに内宮だけでも広くて、参拝後はおかげ横丁でグルメやおみやげ物探しを楽しむことができるので、1日楽しめちゃうんですよね。

でも、「伊勢神宮を参拝するなら外宮から」というのが昔からの習わしです。

内宮だけ、または外宮の一方だけの参拝は「片参り」と言われて、縁起が良くないという話もあります。
さすがに罰はあたらないと思いますが、せっかくお参りに行ったのに、縁を結べないのは勿体ないですよね。

外宮も、重々しく力強い、新鮮な空気が漂うパワースポットなので、ぜひ参拝をおすすめします。

伊勢神宮 外宮の参拝は「左側通行」

外宮 神域

外宮でいただいた神域図を使わせていただきました。

外宮は上の図の右上が入口で、火除橋を渡って表参道を進み、左側の正宮に向かいます。
正面入り口から入る場合も駐車場から入る場合も、別々の火除橋を渡るのですが、火除橋から先は「左側通行」となります。

実は内宮では逆に右側通行なんですよね。

なぜ左側通行なのかというと、伊勢神宮の公式サイトでは、

参道の外側を通って神前に進んだ参拝者の「慎みの心」の表れと考えられます。

引用元:伊勢神宮の「ギモン」と「ふしぎ」 |はじめての神宮|伊勢神宮

と書かれています。

これはどういうことか?というと、
その理由は上の神域図を見るとわかります。
参道は右に向かって曲がっていますよね。

左側を通ると、正宮まで少し遠くなるのですが、遠回りしている間に心を静め、清めるのです。
神道では神様に近づく時は謙虚な気持ちでいることが良いとされているんです。

逆に内宮の参道は左に曲がるので、右側通行となっているわけです。

単純に、参拝前に手を清めるための手水舎が、外宮では左側、内宮では右側にあるから、という説もありますけどね^^

伊勢神宮 外宮の神様は、衣食住を司る豊受大御神

外宮 鳥居
一般駐車場からの入り口の、北御門口参道前にある鳥居です。
(ちょっと写真がぶれてしましました^^;)

参道を5分ほど歩くと、正殿に到着します。

豊受大神宮

外宮の正殿前です。

ここから中は撮影できません。常に警備員の方が立っています。
カメラを持っていると、厳しいチェックが入ります^^;
外宮の正式名は「豊受大神宮(とようけだいじんぐう)

その名の通り、豊受大御神(とようけおおみかみ)という、食物・穀物を司る神様をお祀りしています。
衣食住をはじめとする全ての産業の守り神です。

人が生きる上での原点となる神様ですので、きちんとお参りしておきます^^

神馬見参

お祈りが終えた頃、神職の方が、菊花紋章の馬衣をまとった白い馬を連れてきました。

警備員の方々が慌ただしく参拝客に呼び掛け、道を空けるように誘導していましたが、
馬と神職は正殿に向かって頭を下げ、すぐに行ってしまいました。

これは神馬見参(しんめけんざん)といって、これが行われるのは、毎月1日、11日、21日の8時頃

皇室から贈られた神馬を連れて神前に挨拶に来るのです。
これは内宮、外宮ともに行うそうで、どちらも8時頃。

毎月1日の朔日参りで来ていたので、たまたま外宮で見ることができました!

外宮内の別宮を参拝する

豊受大神宮の別宮は4つありますが、外宮の宮域内にはそのうち3つの別宮があります。
"別宮"というのは、正宮の次にくる特別な地位ということですね^^
末社や摂社よりも高い地位にあります。

風宮(かぜのみや)土宮(つちのみや)多賀宮(たかのみや)の3つです。

宮域外の別宮は月夜見宮(つきよみのみや)で、徒歩で10分くらいのところにあります。

土地の守り神【土宮】

土宮

土宮には、大土乃御祖神(おおつちのみおやのかみ)という神様をお祀りしています。

この神様は、外宮の敷地である山田の原の守護神です。
この土地は古くから伊勢市の西にある宮川の氾濫の被害が酷かったそうで、この土地を守護する神様として祀られていたそうです。

もともとは小さな末社だったのですが、宮川堤防の守護神ということに重きが置かれて別宮という地位をお受けになられたそうです。
土のエネルギーを持つ場ですので、金運のご利益があるかもしれません^^

困難を切り開く神【風宮】

風宮

風宮には、級長津彦命(しなつひこのみこと)級長戸辺命(しなとべのみこと)の2柱が祀られています。

内宮の別宮である、風日祈宮(かざひのみのみや)と同じ神様ですね。

風宮も土宮同様、もともとは小さな社だったのですが、1281年の元冦(げんこう)の時に敵の蒙古軍を全滅に至らしめたことから別宮に加わったそうです。
元冦は2度ありましたが、どちらも風が吹いて日本は助かりました。
まさに「神風」ですね^^

現状を打破したい方はお参りすると、道開きのご利益がいただけるとも言われています。

外宮第一の別宮、豊受大御神の荒御魂【多賀宮】

多賀宮

多賀宮には、豊受大御神荒御魂(とようけおおみかみのあらみたま)が祀られています。
名前の通り、外宮のご祭神である豊受大御神の霊魂の一つ、荒魂のこと。

荒魂に関してはこちらに書いてます⇒三輪山を訪ねる前に読んでおきたい本

豊受大御神の、活性化された荒々しいパワーがここに祀られているんですね。
なので、別宮の中でも外宮の第一別宮として一段格式が高いんです。

パワーのある火のエネルギー、ということで、恋愛祈願・縁結びのご利益をいただきたい方には特に良いかもしれません^^

荒御魂は"神様が現れた状態"と言われていますので、祈ると願いが神様に通じやすいそうです。
豊受大御神は産業全般の神様ですので、仕事に関しての願い事もここで祈ると良いですね。


2012年4月7日に、外宮のまがたま池のほとりに「せんぐう館」がオープンしました。
1300年続いている式年遷宮の62回目を記念して作られた、式年遷宮に関する博物館です。

ここでは、遷宮の意味や「神道」について学ぶことができて、日本人と日本の国について知ることができますよ。