伊勢神宮 月讀宮

伊勢神宮の内宮から国道23号線を北上すること約2キロ、猿田彦神社を過ぎた所に「月讀宮(つきよみのみや)」と書かれている社があります。

月讀宮(月読宮とも書く)は、伊勢神宮 内宮の別宮の1つで、内宮の御祭神、天照大御神(あまてらすおおみかみ)の弟神月讀尊(つきよみのみこと)を祀っています。

月讀尊ってどんな神様?

月讀尊は、日本神話にほとんど登場しないので、あまり馴染みのない神様ですよね。
天照大御神は太陽の神様であるのに対して、月讀尊は名前の通り、月の神様です。
それぞれ昼と夜の神様ということですね。

「日本書紀」「古事記」によると、国生み・神生みをされた夫婦神、伊弉冉尊(いざなみのみこと)伊弉諾尊(いざなぎのみこと)は、たくさんの神々を生んだのですが、伊弉冉尊は最後に火の神を生んだことで黄泉の国に行ってしまいました。

亡き妻を連れ戻そうと黄泉の国に追っていった伊弉諾尊ですが、失敗して地上に戻ります。
そして黄泉の国で穢れた体を清めるみそぎをされたときに、左目から天照大御神、右目から月讀尊が生まれたのです。

月讀尊は、天照大御神に次ぐ光彩の持ち主とされています。

そしてこの場所は、縁結び・夫婦円満のパワースポットとしても知られています。
天照大御神に次ぐ御神徳があるわけですから、そのパワーは絶大でしょうね。

月読宮に祀られている神様

トップの写真は裏参道になるのですが、そこには駐車場があるので、そちらから行きました。
こちらが裏参道の入り口の鳥居。

月讀宮 駐車場

ここから先は、神宮と同じように厳かな空気が漂います。
森の中に入ってほどなく、神殿にたどり着きました!

月讀宮 神殿

実はここは「月読宮」といっても、一つのお宮があるわけではありません。
4つの別宮が並んで鎮座していて、まとめて「月読宮」と呼んでいるんですね。
神宮関係の神社にしては珍しい形です。

お宮の名前と祀られている神様は、左から順に

  • 伊佐奈弥宮(いざなみのみや):伊弉冉尊
  • 伊佐奈岐宮(いざなぎのみや):伊弉諾尊
  • 月讀宮(つきよみのみや):月讀尊
  • 月讀荒御魂宮(つきよみあらみたまのみや):月讀尊荒御魂

となっています。
「月讀宮」があるのに、すぐ隣に荒御魂を別にして祀られているのは、やはりそれだけみなぎる力があるからなのかもしれませんね。

ちなみに、別宮が4つ並んでいるのには理由があります。
元々は上の4宮を合わせて「月讀宮」だったのです。

なので、一囲いの瑞垣内に4宮が祀られていたんですね。

それが平安時代中期頃には、月讀尊と伊佐奈岐・伊佐奈弥の夫婦神を分けて祀るようになります。
つまり、月讀宮・月讀尊荒御魂社、伊佐奈岐宮・伊佐奈弥社のペアで瑞垣を囲んで分けたのです。

月讀尊荒御魂社と伊佐奈弥社はそれぞれ「小殿」と呼ばれていたので、月讀宮、伊佐奈岐宮の付き添いのような感じで祀られていたのでしょう。

それが明治6年に、月讀尊荒御魂社と伊佐奈弥社に宮号が与えられ、現在のように4つの別宮となりました。
なので、昔から祀られてはいますが、伊勢神宮の中では比較的新しい別宮なのです。

月読宮には参拝の順番があります

月読宮には4つの別宮が並んでいるわけですが、参拝の順番も決められています。
社殿の並び順ではないのです。

正面に向かった時の参拝の順番をカッコに入れると、このようになります。

  • (4)伊佐奈弥宮
  • (3)伊佐奈岐宮
  • (1)月讀宮
  • (2)月讀荒御魂宮

ややこしいですね^^;
月讀宮から先で、内から外、内から外と覚えるとよいかもしれません。

それでも、月読宮まで行ってから、「参拝順、どうだっけ?」となっても安心して下さい。
参拝順序の立て札がありますから^^

月読宮

月読宮の御朱印

月読宮の御朱印です。

月読宮 御朱印

伊勢神宮系の御朱印は、どこもシンプルです^^


こちらは内宮の別宮の「月読宮」ですが、実は外宮の別宮にも「月夜見宮」があります。
外宮から歩いてすぐ行けるところにあって、祀っている神様は同じです。
漢字は違いますが、どちらも読み方は同じ「つきよみのみや」なのでややこしいですね^^;

道を尋ねる場合は、内宮別宮の「つきよみのみや」なのか、外宮別宮の「つきよみのみや」なのか、
または、「読」なのか「見」なのかは明確にした方がよさそうです^^