京都の北野に一本うどんの発祥のお店「手打ちうどん たわらや」に行ってみました。
たわらやの名物と言えば「一本うどん」!
一本うどんの発祥のお店です。
お店の創業は古く、享保年間(1716~1735年)という老舗。
当時の様子は、北野天満宮参詣賑絵図という江戸時代に作られたすごろくにも描かれています。
このゲームは、各マスに北野天満宮の門前名物や境内の賑わいが描かれていて、およそ20マスで門前から境内をめぐり、本殿の参拝がゴールとなっています。
江戸時代の北野の賑わいぶりを知ることができるのですが、そのゲームの一コマにたわらやが描かれているんですね^^
残念ながら、一本うどんをすすっている様子は描かれていませんが、たわらやはたくさんの参拝客をもてなしていました。
そして一本うどんは創業当時からあったのだとか。
たわらやの場所は、北野天満宮の大鳥居から道路を渡ってすぐのところです。
メニューは一本うどんの「名物たわらやうどん」の他、普通のうどんやそば、丼ものも種類があり、麺と丼のセットもありました。
私が注文したのは、「名物たわらやうどん」とハーフサイズ丼がセットになった「名物セット(丼)」です。
丼は、京都名物でもある衣笠丼です。
冷奴と漬物、薬味のショウガがついて、1,390円でした。
(単品の一本うどんは730円)
まずはお目当ての一本うどん。
噂通り、かなり極太のうどんでした!
早速食べてみると、太さがある分、もっちもち♪
今まで讃岐うどんや伊勢うどんなど、色々なうどんを食べてきましたが、この食感は初めてです。
食べる前は、「一本しかないならすぐ食べ終わってしまうのでは?」と思っていたのですが、さすがにお箸よりも太い麺は、すぐに口いっぱいになってしまうので、普通のうどんのようにツルッとすすることはできません。
つかんで、お餅を食べるように噛みちぎる、という感じで食べていきます。
一本分の量は、普通のうどん1杯分と同じ量なので、決して少ないということはありません。
そして食べていくと、あることに気づきます。
それは、麺は一本ではなく、二本だということ^^
一本うどんじゃないじゃないか・・・
実はこれには理由がありました。
元々は一本だったそうですが、お客さんが食べやすいようにと半分に切るようになったのだそうです。
サービス精神だったのですね^^
そして実はこのうどん、普通のうどんより結構な手間がかかっています。
なんと、1時間も茹でるのだとか!
この極太麺は、普通に茹でていると芯まで火が通らないはず。
だからこそそれだけ時間をかけなければなりません。
しかもただ1時間茹でているわけではないんです。
全体的に均一に、芯まで火を通すにはゆっくり弱火で、しかも時々様子を見てかき混ぜながら茹でていくわけです。
熱すぎるとうどんの表面から溶けていってしまい、不均一になるのでそういう工夫が必要なのです。
大変ですね^^;
そういう理由もあってか、早いときには開店から1時間で品切れになってしまうこともあるようです。
私が訪れたのは祝日の13時頃で、そういうことも知らずに注文したのですが、ちょうど私の分で最後でした^^
なので、ちょっと遅い時間に行く場合はお店の人にあらかじめ聞いた方が良いかもしれません。
そして次は同じく京都名物の衣笠丼。
ご飯の上に甘辛く炊いた油揚げと九条ネギをを卵で綴じたものです。
大阪でいうところの「きつね丼」ですね。
「衣笠丼」というのは京都ならではの呼び方です。
何が「衣笠」なのか?というと、これは北野のすぐ近く、金閣寺のそばにある衣笠山に由来しています。
衣笠山は、かつて貴族の別荘地が並ぶ標高201メートルの小さな山でした。
平安時代の天皇だった宇多天皇が真夏の暑さに耐えきれず「雪景色が見たい」と言ったそうです。
その時、衣笠山に白絹をかけることで雪に見立てたという故事が残っているんです。
そこから「きぬかけ山」と呼ばれるようになり、衣笠山になりました。
衣笠丼は、油揚げとネギを卵で綴じた様子が衣笠山の雪景色に似ているということから、「衣笠丼」と呼ばれるようになったそうです。
あっさりと優しい味わいで、ヘルシーな丼でした。