粟餅所・澤屋

北野天満宮は、豊臣秀吉によって北野大茶会が催され、それをきっかけに大いに賑わうようになりました。
それ以来、北野の地にたくさんの名物が誕生したそうです。

北野天満宮の大鳥居の斜め向かいに「粟餅所 澤屋」という甘味処があります。
ここも大茶会後に生まれて、現在まで続いている名物の一つです。

創業は天和2年(1682)。
大茶会は天正15年(1587)なので、そのだいぶ後の創業ではありますが、寛永15年(1638)に発行された書物「毛吹草」の諸国名物コーナーに山城名物として紹介されているんですね。

もしかしたら、大茶会の時にも無名ブランドとして出していたかもしれません^^

お店の商品は創業以来、粟餅一筋!
それだけで400年近く変わらずやっていけるということは、それだけ美味しいに違いありません^^

以前からお店は知っていたのですが、今回初めて寄ることができました♪

澤屋の粟餅はこし餡ときな粉の2種類

粟餅は、炊きたての粟を臼でついた黄色い餅をベースにしたお餅です。
澤屋ではお餅が2種類あって、こし餡でくるんだものと、きな粉をまぶしたものが用意されています。

注文して出てきたものがこちら。

澤屋 あわもち

丸いこし餡餅が2個、細長いきな粉餅が1個の3個セットになっています。
今回は3個入りを注文しましたが、こし餡餅3個、きな粉餅2個の5個セットもありました。

こし餡ときな粉の割合は、注文前にお願いすれば変えられるようですが、今回は初めてなのでメニュー通りの注文です。

こし餡餅の方は、あんこは甘すぎずなめらか♪
そこに粟の粒々食感が合わさった歯ごたえがありました。
これがタマラナイ♪

きな粉餅の方は、既にたっぷりきな粉がかかっているのですが、風味が良いのでもっとたっぷりつけたくなります。

お店の方によるときな粉餅の方は、きな粉がたくさんつくように表面積を広くしたということで、丸ではなく棒状にしているのだそうです。
なので、こぼれたぶんもたっぷりつけていただきました^^

こちらもあん餅に負けないほどタマラナイ♪
きな粉は余すことなくつけて、それでも余った分はこし餡餅にもつけて頂きました^^

注文する前は、3個で十分そうな大きさだと思ったのですが、食べてみるとあまりに美味しく、しかもあっさり頂けたので、5個注文しなかったことを後悔しました><

さすが江戸時代からそのまま提供しているだけありますね。
ここは北野に来たら外せないお店だと思いました。

粟餅はお持ち帰りもあります。

ただし、賞味期限はその日限り。
遠距離へのお土産にはあまり向かないかもしれませんね。

ベースになる粟餅は作り置きはせず、1日に必要な分をついて、足りなくなったらまた少しずつついては足すそうです。
そして注文を受けてから手早く仕上げます。

それだけ作りたてが美味しいということです。
時間のある方はぜひ店内で召し上がることをお勧めします。


同じ北野名物のお餅に長五郎餅というお餅があります。

長五郎餅は大茶会で秀吉に献上されて、その名前を付けてもらったという由緒があるほど美味しいお餅です。

長五郎餅はもち米を使っていて、その当時はもち米は高級品でした。
それに対して粟は安価で庶民に親しまれていたそうです。

高級品の方が美味しいか?というと、粟のほうも負けていませんね^^
どちらも美味しいので優劣つけがたい><
北野に来たら餅尽くしになってしまいそうです(≧▽≦)

お店の外のショーケースには、お土産のサンプルのほか、こんなものも飾られていました。

澤屋 粟

粟のサンプルです。
昔はどこでも採れて安かったそうですが、今はもち米の2.5~3倍。
時代の流れと共に、こちらの方が高級品になってしまった、というのも面白いですね^^

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