奈良国立博物館

2014年7月19日から9月15日まで、奈良国立博物館で「国宝 醍醐寺のすべて-密教のほとけと聖教-」が行われています。

醍醐寺は、京都市伏見区にある真言宗醍醐派の総本山。
874年に理源大師聖宝(りげんだいししょうほう)が創建、真言密教の道場として発展しました。
今では「古都京都の文化財」として、「世界文化遺産」に登録されています。

豊臣秀吉が「醍醐の花見」と呼ばれる盛大な宴を開いたお寺として有名ですね^^

醍醐寺は国宝や重文の文化財を多数所蔵していますが、昨年、所蔵している文書聖教のうち約7万点が国宝に指定されました!
今回はそれを記念して行われる展覧会。
国宝62件、重要文化財85件を含む約190件の寺宝を間近で見ることができる、またとないチャンスです!

お寺で仏像を拝観すると、遠かったり暗かったりして見えにくかったりすることも珍しくありません。
それが間近でじっくり見ることができますし、しかもスポットライトで見やすさに配慮されているのがイイですね^^
いくつかポストカードを購入したので紹介します。

まずは今回の一番の目玉、上醍醐の五大堂から来た五大明王像。

醍醐寺 五大明王像

醍醐寺は、醍醐山に200万坪以上もの境内が広がる広大なお寺で、大きく下醍醐と上醍醐に分かれています。
下醍醐から上醍醐までは1時間ほどかかるのですが、その山の上の上醍醐からわざわざ降りてきているんですね^^

上の写真は、左から大威徳(だいいとく)明王、軍荼利(ぐんだり)明王、不動明王、降三世(ごうざんぜ)明王、金剛夜叉(こんごうやしゃ)明王。

170~180cmの大きさの五大明王が一堂に並ぶ姿は圧巻でした^^
並ぶのを横から見たり、少しだけ背後も見れます。

五尊のうち、大威徳明王だけが創建当初の平安時代から伝わるもので、貴重なのだとか。
しかし残り四尊も江戸時代の仏教彫刻の代表作で、平安時代よりも進んだ表現力にうならされます。

そして、ポスターでトップに飾られているのが、快慶作の弥勒菩薩坐像。

醍醐寺 弥勒菩薩坐像

三宝院の本尊です。
均整の取れたお姿やお顔、素晴らしい作品ですが、中でもふわっとゆったりした感じの衣文に魅せられてしまいました^^
後白河法皇追善のための像であると考えられています。

そして、上醍醐薬師堂の本尊、薬師如来像。

醍醐寺 七佛薬師

薬師堂は保安2年(1121年)の創建で、ご本尊も創建以来のものです。

薬師如来は普通、これといって目立った特徴を持つものが少ないので、仏像としての魅力を感じるのはなかなか難しいなあと感じているのですが、このお薬師さんは半丈六の大きさながらも重厚感があってかなり大きく見えます。

光背についている6体の小さなお薬師さんも可愛らしい^^
7体合わせて七佛薬師と呼ばれているそうです。

醍醐寺展では、密教の修法を行うための法具や仏画、手順を書いた書物なども多数見ることができます。
修法というのは、密教の加持祈禱のこと。
目的に応じた作法を用いて儀式を行います。

その種類は息災法・敬愛法・降伏法など、色々ありますが、目的に応じてそれぞれに適した主尊の仏画を飾り、心でその主尊を念じながら印を結び、主尊の真言を唱えます。
下は絹本著色五大尊像の、五幅あるうちの一幅、降三世明王像の掛軸です。

醍醐寺 降三世明王

密教の五壇法(ごだんほう)の本尊で、五大尊像として最古のもの。
結構な大きさで、縦2mくらいあります。

また、ポストカードにはありませんでしたが、縦342.4cm・横331.2cmの巨大な大元帥明王像の掛軸もありました。
こういうものを置いて行う修法とはどういうものなのか、実際の修法を見てみたいものです^^


醍醐寺展ではその他にも多数、紹介しきれないほど魅力ある文化財を見ることができます。
9月15日(月・祝)まで行われていますので、夏休みの間に行かれてはいかがでしょうか?^^

醍醐寺のすべて 公式サイト