南山城の古寺巡礼

京都国立博物館で2014年4月22日~6月15日まで開催されている特別展「南山城の古寺巡礼」に行きました。

「南山城」というのは、京都の郊外、木津川市あたりの地域です。
都と奈良に挟まれていて、木津川が流れていることから水運に利用され、交通の要となる重要な場所でもありました。
それゆえ、奈良時代や平安時代から続く、歴史あるお寺がたくさんあるんです。

でも、この地域は、京都市内・奈良市内からも離れていて、お寺は山間にあったりしますので公共交通機関からのアクセスがあまり充実していない場所。
しかも、拝観しようにも秘仏だったり、事前予約が必要だったり、というところもあり、観光としてもなかなか行きづらいんです。

今回の特別展は、数年間かけて文化財調査を行ったものを発表する成果発表会のような機会でもあるそうで、南山城地域の歴史や風土、文化など明らかになったものが一堂に展示される貴重な機会になります。
私もこの地域のことはほとんど知らないので、勉強しに行ってきました♪

京都国立博物館

展示は、この地域にあるお寺毎に分かれているものの、まず最初に古墳時代の発掘物の紹介から始まり、それから各お寺へと、地域全体の歴史の流れがわかるようになっています。

展示品を出している寺院は、笠置寺、岩船寺、浄瑠璃寺、現光寺、海住山寺、神童寺、蟹満寺、寿宝寺、観音寺、酬恩庵、禅定寺など。
全体を通してみると、この地域は色々な信仰があり、仏像も面白いものがたくさんあり、結構濃厚な地域でした。

一番惹かれたのは、寿宝寺の十一面千手千眼観世音菩薩立像(重文)。

寿宝寺 千手観音
写真:ポストカードより

こちらは、大阪の葛井寺、奈良の唐招提寺と並んで、千手観音三大傑作とされています。
千手観音は「千手」と名前がついても略式の42手のものが多いのですが、この三大傑作はいずれも実際に千の手を持つ千手観音です。

手が実際に千あるのもすごいのですが、お顔立ちも良く、優しげですね^^
横から見ると、手の部分はいくつかの層になっていて、指しか見えないような間の手がたくさんありました。
正面から見ると、バランスがものすごくよくて、美しいです。

寿宝寺からは、その他にも降三世明王と金剛夜叉明王、聖徳太子像がいらしていました。

海住山寺からはたくさんの寺宝が来ていましたが、その中で惹かれたのが四天王立像(重文)。

海住山寺 四天王立像
写真:ポストカードより

像高40cmほどのものですが、これくらいのサイズのもので「すごい!」と思ったのは初めてでした♪
保存状態が良くて彩色が残っていて、何より細かさがよくわかるんです。
踏まれている邪鬼の表情もそれぞれ違います。

日本の○○レンジャーなどの戦隊ものは、こういうところが原点なんじゃないか、って思っています^^

神童寺にも珍しい愛染明王(重文)がいらっしゃいました。

神童寺 愛染明王
写真:ポストカードより

愛染明王の弓は、普通6本の腕のうち、左右真ん中の腕で弓と矢を持っているものが一般的ですが、ここでは上の手で上に向けていて、しかも打つしぐさまでしています。
こういう愛染明王を天弓愛染というそうです。

重文にしていされている天弓愛染は全国でも、高野山の金剛峯寺、山梨の放光寺、そしてこの神童寺のもの三躰のみです。

とんちで有名な一休さんこと、一休宗純が晩年を過ごしたお寺、酬恩庵からも一休さんに関する寺宝が多数展示されていました。

有名な一休宗純像(重文)もありました^^

一休宗純像
写真:パンフレットより

知らない人もいるかと思いますが、これがあの、アニメのかわいい一休さんの晩年のお姿です^^

一休さんが愛用していた袈裟や笠、靴、笛などもありました^^
袈裟は黄色い袈裟で、おそらく上の肖像画と同じもの。

袈裟は、エライ人だと紫のものを着れるのですが、一休さんは紫の袈裟を着れる身分であるにもかかわらず、それを着て満足するのを恥じて、黄色い袈裟を着ていたそうです。
さすが、悟りを開いた人は違いますね^^

この特別展ではその他にも、浄瑠璃寺で1月8~10日しか公開されない秘仏、大日如来像や、10人以上の予約拝観でしか見ることができない現光寺の十一面観音坐像(立ち姿の多い十一面観音で坐像は珍しい)、パンフレットの表紙にもなっている、禅定寺の大きな十一面観音像など、見応えのあるものが多数展示されています。
私は今回、見て回るのに3時間かかりましたが、この地方のことが色々知れて、新しく行きたいお寺が増えました♪

「南山城の古寺巡礼」は、6月15日まで。
お見逃しなく^^