末法思想が流行った平安中期の藤原時代頃、阿弥陀仏を9体並べた九体阿弥陀堂が多数建立されました。
浄瑠璃寺は、藤原時代に作られた九体阿弥陀堂を唯一残す貴重な寺院です。
境内には、東には東方浄土の薬師如来を安置する三重塔(国宝)、西には西方浄土の阿弥陀如来を安置する本堂(国宝)が、中心には大きな池があり、この形が浄土式庭園になっています。
これが仏教の中の極楽浄土の世界を表していて、その世界観をあらかじめ知っておくと、より浄土思想の世界観を感じることができます。(後述)
九体阿弥陀如来坐像の修理について
九体阿弥陀堂に祀られている九体阿弥陀仏は、2018年7月から2体ずつ修理を行っています。
九体阿弥陀堂内部の拝観はできますが、仏像修理の完了は5年の予定とのことですので、ご注意ください。
浄瑠璃寺の拝観情報
- 住所:木津川市加茂町小札場40
- 電話番号:0774-76-2390
- 参拝時間:9:00~17:00(12月~2月は10:00~16:00)
- 拝観料:400円(本堂のみ。境内は無料)
- 駐車場
- 普通車(30台):300円
- マイクロバス・大型車:1,500円
- 駐車場のマップコード:502 150 608*53
- 公式サイト:なし
浄瑠璃寺に車でアクセス
浄瑠璃寺は京都府木津川市にあります。
よく、奈良県にあると勘違いされるのですが、実は京都府にあるのです。
でも、京都市内より奈良市内からの方が近く、アクセスもしやすいので、奈良の観光ルートでよく紹介されています。
浄瑠璃寺へ行くには、アクセスの悪い場所にあるので、車で行くのが一番オススメです。
【京都方面から】京奈和自動車道「木津IC」より
京奈和自動車道「木津IC」からは車で約15分です。
京奈和自動車道は現在建設中の高速道路で、部分的に開通しています。
木津ICへは、現在のところ北は城陽JCTから新名神高速道路、そこから第二京阪道路に繋がっていて、木津ICから南側はまだ繋がっていません。
なので、木津ICまでアクセスしやすい方はまだ少ないかもしれないですね。
現在のところは、第二京阪道路を利用する方は木津ICまで行くことができます。
京奈和自動車道が完成すれば、北は名古屋・京都方面から、南は大阪・和歌山方面からもアクセスできるようになり、木津ICが最寄のICとなります。
最新情報は奈良国道事務所のHPをご覧ください。
【大阪方面から】第二阪奈有料道路「宝来IC」より
第二阪奈有料道路「宝来IC」からは車で約25分です。
大阪市内からはこちらが近いです。
【南大阪方面から】西名阪自動車道「郡山IC」より
西名阪自動車道「郡山IC」からは車で約30分です。
南大阪方面からは、現在こちらが最寄のICとなっています。
浄瑠璃寺に電車やバスでアクセス
浄瑠璃寺の最寄り駅はJR大和路線「加茂駅」。
大阪の難波駅から出ていて、途中、天王寺駅や法隆寺駅、奈良駅などに停車する路線です。
ただし、加茂駅が最寄といっても駅から浄瑠璃寺まで徒歩で1時間以上かかります。
駅からバスが出ていますので、加茂駅から浄瑠璃寺に行く場合はバスがおすすめです。
また、毎年4月、5月、11月の土・日・祝のみ、JR奈良駅や近鉄奈良駅から出ている「お茶の京都 木津川古寺巡礼バス」で行くこともできます。
JR「加茂駅」より
大阪市内から公共交通機関を使って直接浄瑠璃寺に行く場合は、加茂駅経由がおすすめです。
「加茂駅」(東口)の2番のりばからでている木津川市コミュニティバスの当尾線「岩船寺・浄瑠璃寺・加茂山の家」行きに乗り約22分、「浄瑠璃寺前」下車、徒歩3分です。
運賃は400円(片道)。
バスは1時間に1本しかありません。
最新の時刻表は木津川市の公式サイトで、当尾線(岩船寺・浄瑠璃寺方面)のところをご覧ください。
「JR奈良駅」「近鉄奈良駅」より(期間限定運行)
JR奈良駅、近鉄奈良駅からは、4月、5月、11月の土・日・祝のみ、「お茶の京都 木津川古寺巡礼パス」が運行しています。
以前までは、奈良駅から通年運行で112系統のバスが出ていたのですが、木津川市からの要請で、令和2年8月1日(土)以降は、春秋の特別公開時期となる4月、5月、11月のうち、土・日・祝のみの運行に変更されました。
奈良交通のニュースリリースより。
この期間以外は、JR加茂駅からバスに乗るか、奈良駅から直接タクシーで移動(渋滞無しで約20分程度)するしかありません。
「お茶の京都 木津川古寺巡礼パス」の運行経路は、
JR奈良駅西口-近鉄奈良駅-浄瑠璃寺前-岩船寺-JR加茂駅西口-岡崎(海住山寺最寄り)
となっています。
運賃や時刻表はこちらをご確認ください。
⇒お茶の京都 木津川古寺巡礼バスの運行について|奈良交通株式会社
通常料金は、JR奈良駅・近鉄奈良駅から浄瑠璃寺前まで580円(子供は290円)。
一日乗車券もあって、
- 大人用1,200円(税込)
- 子供用600円(税込)
となっています。
浄瑠璃寺との往復なら普通運賃が良いですが、岩船寺や海住山寺も合わせて拝観するなら、一日乗車券がお得です。
一日乗車券は、JR奈良駅改札口を出てすぐの奈良交通「JR奈良案内所」、近鉄奈良駅の場合は5番出口を出たところにある良交通「近鉄奈良案内所」で購入することができます。
浄瑠璃寺の秘仏公開情報
浄瑠璃寺には3体の秘仏があります。
吉祥天女像、薬師如来像、大日如来像の3体です。
吉祥天女像(九体阿弥陀堂)
浄瑠璃寺の吉祥天女像は、絶世の美女と名高い像です。
九体阿弥陀堂内に置かれている厨子に入っておられますが、普段は厨子の扉が閉じられています。
御開帳日は以下のようになっています。
- 正月:1月1日~ 1月15日
- 春季:3月21日~ 5月20日
- 秋季:10月 1日~11月30日
鎌倉時代のもので、保存状態がよく、着物に彩色が残っているんです。
本尊は写真撮影NGなのでここで紹介できませんが、浄瑠璃寺の吉祥天女像を模したフィギュアが通販で販売されています。
(写真:[PR]仏像フィギュアの【イSム(いすむ)】より)
左が現存のものを模したもの、右は原型である極彩色におこしたものです。
本物はもう少しくすみ感、色落ち感がありますが、このフィギュア、よく出来ています^^
吉祥天は、毘沙門天の奥さんとも言われていて、繁栄と幸運の功徳を与える縁起の良い女神様です。
ぜひ本物を拝んでいただきたいです^^
薬師如来坐像(三重塔)
浄瑠璃寺は阿弥陀信仰で有名になっていますが、創建時の本尊は薬師如来でした。
秘仏となっている薬師如来坐像は三重塔内に安置されていて、この像が浄瑠璃寺創建時の本尊と考えられています。
御開帳日は以下のようになっています。
- 毎月8日
- 彼岸の中日(春分の日、秋分の日)
- 正月三ヶ日
ただし好天に限ります。
こちらも普段は扉が閉じられているのですが、御開帳日にはこのように扉が開いています。
秘仏なので写真撮影は禁止。
斜めから扉が開いている様子だけ撮影しました。
大日如来像(灌頂堂)
本坊の一角にある灌頂堂に安置されています。
像高約60センチと小さな像ながら、気品のある仏像です。
御開帳日は
- 1月8日、9日、10日の3日間
です。
この3つの仏像、トリプルで拝観できる日はたった1日だけ。
それは、1月8日です。
大日如来の御開帳が年に3日しかないので、この日になってしまうんですね。
なので、トリプルで見たい場合は、1月8日を狙っていきましょう^^
吉祥天女と薬師如来、ダブルで拝観できる日は、もう何日かあります。
- 4月8日
- 5月8日
- 10月8日
- 11月8日
です。
それでも少ないですね。
浄瑠璃寺をより楽しむために知っておきたい情報
浄瑠璃寺は、浄土の世界を表現したお寺です。
なので、浄土の世界観をちょっとだけでも知っていると、より深い体験が得られます。
また、浄瑠璃寺には推奨されている参拝順序もあります。
まずはこちらで予備知識を入れておきましょう。
浄瑠璃寺周辺は「
時間に余裕のある方は石仏巡りのハイキングコースを楽しんでみてください。