灌頂院 入口

東寺の境内の西南に灌頂院(かんじょういん)という場所があります。

ここは普段は門が閉ざされていて、中に何があるのか全く見えません。
人通りもないので、寂しい感じなんですよね^^;

実際、中のお堂はがらんどうで、中には何もないそうです。

しかしここは実は、とっても重要な行事を行う場所なんです。

そういうわけで普段は何もないのにも関わらず閉じられているのですが、そんな開かずの灌頂院の門の中に唯一、一般人が入れる日があります!
それが4月21日(旧暦の3月21日)、弘法大師 空海が入定した日です。

この日は、年に一度しか見れない絵馬が公開されます。

灌頂院って何するところ?

灌頂院は大切な行事が行われる時だけ使われる場所。
その大切な行事というのは、以下の3つがあります。

  1. 後七日御修法(ごしちにちみしほ)
  2. 伝法灌頂(でんぽうかんじょう)
  3. 正御影供(しょうみえく)

1の「後七日御修法」は、毎年正月8日~14日の1週間にわたって行われる行事です。

この後七日御修法の儀式こそが真言宗最高の秘儀で最大の行事といわれています。
何をしているのか?というと国家安泰・五穀豊穣・万民豊楽を祈るんです。
元々は宮中の真言院で行われていました。

宮中行事でしたので、その頃は天皇も参加していました。
しかし戦乱や災害などが続き一時中断、明治16年に復活はしたものの、その時から宮中ではなく東寺の灌頂院で行われるようになったんです。

現在は天皇陛下は直接参加せず、陛下の御衣をお迎えして行います。
それが後七日御修法です。

東寺だけでなく、真言宗全体が関わる大切なお勤めとなっています。

2の「伝法灌頂」は、修行を積んだ弟子に阿闍梨(あじゃり)という指導者の位を授ける儀式です。

人間が大日如来と一体になり、その身がそのまま仏になる”即身成仏”の儀式なんです。
“灌頂院”という名前から、そもそもはこの儀式をやるために作ったんでしょうね^^

3の「正御影供」は4月21日、弘法大師の命日に行われる法要です。

東寺では毎月21日、空海の御影に報恩の意を表し、遺徳をしのぶ御影供が御影堂(大師堂)で行われますが、4月21日(旧暦の3月21日)は大師が入定した日そのものですので、御影堂で法要を行った後、灌頂院に移動して行います。

この3つの行事以外にも特別なイベント開催で開かれることもあるようですが、基本的に門が開く日にちが決まっているのは、「後七日御修法」の時の1月8日~14日、そして正御影供の4月21日だけです。

門の中に入ってみた

というわけで、4月21日に訪れてみて中を覗いてみました。

灌頂院 お堂

さすがにお堂の中には入れませんが、その前にお大師さんの掛け軸がかけられていて、供物がささげられています。

灌頂院 掛け軸

ここで正御影供の法要を行うんですね^^
そしてお堂に向かって右側を見ると、閼伽井(あかい)という井戸を囲った屋形があります。

灌頂院 閼伽井

この井戸は、灌頂儀式に使う閼伽水(あかすい)を汲む時に使われたんだとか。
屋形には3枚の絵馬がかけられています。

灌頂院 絵馬

この絵馬は、正御影供の時だけにかけられるものです。
そしてこの絵馬を見て、農家の人が農作物の豊凶を占っていたんだそうです^^

占い方

占い方は、三枚の絵馬のうち、中央を本年分、右を昨年分、左を一昨年分として、絵馬の出来栄えを見て判断するというものです。

特に決まりはないので結構いい加減なもんですが、馬の顔が長いのは前期に雨が長いとか、胴が太いのは中頃に日照りが少ないとか、おそらく昨年と一昨年の天候状況を覚えていてそれを左右の絵馬に当てはめて、今年のものを占っていたんでしょうね^^

なぜこの絵馬で天候を判断するようになったのか?

それはもしかしたら、龍神の描いたものが井戸の底から出てくると言われていたからかもしれません。
龍神は水の神様ですから^^