滋賀県大津市坂本にある、山王総本宮 日吉大社。
その境内は広く、「西本宮エリア」「東本宮エリア」「奥宮エリア」に分けられます。

今回は奥宮編です。

広いので、記事を分けて書きました。

東本宮から西本宮に向かう途中、三宮宮と牛尾宮の社殿があります。

三宮宮 牛尾宮 里宮

三宮宮と牛尾宮は、日吉大社の中でも上七社に入る格式高い社。
でも写真のように社殿が小さく、末社のような感じに見えます。

最初は「同じ上七社の樹下宮は立派な社殿だったのに、こんな小さいの?」と思ったのですが、実はこの社は遥拝所。
本物の三宮宮と牛尾宮は、この二棟の遥拝所の間の大きな階段から山を登らなければいけません。

その階段から続く山が冒頭で触れた「八王子山」です。

八王子山

山頂付近の社殿。

八王子山

このようにこんもりとした八王子山は比叡山の一部となる山で、日吉大社の原点となる場所です。

日本では昔、死者の霊魂は山の頂に登って子孫を見守るという「山中他海観」と呼ばれる信仰スタイルがありました。

現在東本宮に祀られている大山咋神もそんな山の神様だったと思われ、最初は八王子山の頂上付近にある高さ約10mもある岩、金大巌(こがねのおおいわ)に宿ったとされています。

八王子山は標高381メートル、片道1キロ、約30分ほどで登れるとのこと。
そんなに大したことないだろうと思っていたのですが、階段の目の前に来ると、結構急こう配!

八王子山

先に登っていた方は一段ずつ降りていました。

そして、階段は最初だけで、あとは砂利道が続きます。

八王子山 山道

ちょっと登っただけでこの高さ。

八王子山 山道

八王子山を登る参道は、くねくねと七曲がりの参道になっていて、「八丁坂」と呼ばれているそうです。
高さはそんなになくても、こういう道がずっと続きます。

麓から約15分、琵琶湖を見下ろせる景色に出会います。

八王子山 琵琶湖

それでもまだ半分、急坂もまだまだ続きます。

再び階段が現れる頃に上を見上げると、社殿が見えてきました。

八王子山 社殿

続く階段もきついですがもうひと踏ん張り。

八王子山 社殿

最後の曲がり角。

八王子山 社殿

登ること約20分、麓から見えた三宮宮と牛尾宮に到着!

八王子山 三宮宮 牛尾宮

わずか数十分ですが、達成感がありました♪
ここまでの参道は結構きついので健脚向きですね^^;

私は途中で立ち止まったり、羽織っていたものを一枚脱いだりしながら登りましたが、4月に行われる山王祭では、氏子衆が山をかけ登り、三宮宮と牛尾宮にある神輿を担いで降りて行くのだそうです!
とんでもない体力が必要ですね^^;

ここから見える景色はこの通り。

八王子山 景色

坂本の町並み、琵琶湖に延びる日吉大社の参道から琵琶湖、そして対岸にある三上山(近江富士)まで見渡せます。
先ほど掲載した八王子山の写真は、麓の赤鳥居付近から撮影したのですが、その赤鳥居も見つけることができます。

社殿の話に戻ると、向かって奥が牛尾宮、手前が三宮宮です。
こちらで祀られている神様は、

  • 牛尾宮(上七社):大山咋神荒魂(おおやまくいのかみのあらみたま)
  • 三宮宮(上七社):鴨玉依姫神荒魂(かもたまよりひめのかみのあらみたま)

です。
麓の東本宮と樹下宮に祀られている大山咋神夫婦の荒魂です。

荒魂については、こちらに書きました。
荒魂、和魂、幸魂、奇魂とは?

山の斜面に建っているだけあって、上を見上げるとすごい迫力があります。

この崖の斜面に沿って、格子状に木材を組んだ造りは「懸造(かけづくり)」もしくは「舞台造(ぶたいづくり)」といいます。
同じ造りで有名なのは京都・清水寺の「清水の舞台」です。

崖の斜面に建てると危なそうに思えますが、実はこの造りは不安定な場所に建っているにも関わらず、耐震性が高いのです。
先人の智恵はスゴイですね^^

八王子山 舞台造

八王子山 舞台造

実はこの社殿、牛尾宮と三宮宮の2棟の社殿に見えますが、実はそれぞれ本殿と拝殿があり、合計4棟の建物なんです。
拝殿が本殿正面の庇を摂りこむほど接近しています。

牛尾宮

普通、拝殿と本殿は少し離れて置かれますが、このような急斜面ではそんな余裕はありません。
なので工夫してこのような造りになったのでしょうね。

社殿と社殿の間には、信仰の原点、金大巌(こがねのおおいわ)があります。

金大巌

金大巌

10メートル近い高さのある巨石です。
見上げるほど大きな立岩ですが、ここに大山咋神が降り立ったということです。

今は里宮の東本宮に遷ってもらっていますが、まだこの岩には霊力が宿るといいます。
実際、ここに祀られているのは荒魂で、強い力を持っていますから、まさにパワースポットですね^^

金大巌から裏に回ることができるのですが、そこからさらに上に登ることができます。

ただし、ここから先は、今までのような砂利道ではなく、足場が不安定な登り道です。

八王子山 登り道

金大巌の上からの景色。

金大巌 景色

金大巌から約5分ほどで、八王子山の頂上にたどり着きました。
そこには積み上げられた石が。

八王子山 ケルン

「八王子山 381M」と書かれていましたので、これは道標のようですね。
信仰とは関係なさそうです^^;


金大巌に着いてから、社殿の前でちょっと一休みしたのですが、すごく気持ちよかったです♪

そしてこの景色を前にして役立ったのがこれ。

私がいつも仏像拝観のためいつもかばんに入れて持ち歩いている単眼鏡です。
ポケットサイズで持ち歩きやすく、ちょっと遠目で見えない仏像や、小さな仏像などを見るときに使うのですが、今回は望遠鏡として役に立ちました(≧▽≦)