嵐山 渡月橋

京都・嵐山の中腹、「十三まいり」で知られる法輪寺。
ご本尊の虚空蔵菩薩は日本三大虚空蔵の一つで「嵯峨の虚空蔵さん」の愛称で親しまれています。

虚空蔵(こくうぞう)」というのは、「決して尽きることのない無限の宝庫」ということで、虚空蔵菩薩は、そこから多くの智慧や財宝を与えてくれるありがたい仏様なんです。

京都では、数え年で13歳を迎えた少年少女が、智恵を授かりに法輪寺に訪れる「十三まいり」が習慣になっています。

法輪寺の創建と渡月橋の秘密

法輪寺 本堂

創建は奈良時代の和銅6(713)年、元明天皇の勅願で行基菩薩が建てたのが始まりです。
その時は木上山葛井寺(かづのいでら)と呼ばれていて、国家安穏、万民の繁栄と五穀豊穣、産業の興隆を祈るお寺だったようです。

平安京以前のこの地域は、中国から渡来した秦氏一族が移住・開発した地域で、秦氏は農耕や工芸などの技術を日本にもたらしています。
そして現在の法輪寺の寺域では一族の祖神を祀っていたそうで、そこに堂塔を建ててできたのが葛井寺というわけです。

その後の貞観10年(868年)、弘法大師 空海の弟子にあたる道昌がこの地で生身の虚空蔵菩薩を感得したので、一木で虚空蔵菩薩像を造り、葛井寺に安置、寺号を「法輪寺」に改めました。
これが法輪寺の始まりです。

道昌は山腹を開いて堂塔を改修したり、大堰川(桂川)を修築し、法輪寺橋を架け、船筏の便を開港したりして、この辺りを大いに栄えさせたのですが、この時に架けた法輪寺橋が現在の渡月橋に繋がります。

「渡月橋」は「月」が「渡る」「橋」と書きますが、これは鎌倉時代の亀山上皇がこの橋の上を渡るように移動する月を見て、「くまなき月の渡るに似たり」と感想を述べ、「渡月橋」と名付けたそうです。

現在の渡月橋は昭和9年、三条通りの拡張工事に伴って今の形となっています。

十三まいりって?

法輪寺 十三参り

唐に渡る前の若き空海が「虚空蔵求聞持法」という記憶力を増進させる修法を使い、無限の記憶力を身につけたというエピソードがあります。

その「虚空蔵求聞持法」を行う時に祈る本尊が虚空蔵菩薩。
まさに智慧の仏様なんです。

そんな虚空蔵菩薩に、数え年で13歳になったときに福徳と智慧を授かりに参拝するのが「十三まいり」です。

法輪寺は十三まいりのお寺として有名で、最初に行われたとみられるのは、平安時代に在位(在位期間:858~876年)した清和天皇。
清和天皇は幼くして帝位についたのですが、清和天皇が数え年で13歳になった時に法輪寺で勅願法要を行いました。

当時は13歳で元服(成人)となりますから、清和天皇が行ったのは、いわゆる成人の儀式です。
それ以来、貴族たちの間で十三まいりがブームになったんですね。

そして一般庶民も行われるようになったのは江戸時代中期のこと。
それから京都では法輪寺への十三まいりが習慣となっているんです。

十三まいりをしたい場合はどうやってやる?

虚空蔵菩薩の御縁日は、毎月13日。
十三まいりは、その中でも虚空蔵菩薩ととりわけ縁の深い4月13日(旧暦3月13日)に行うものでしたが、法輪寺では春と秋に2ヵ月ほど、参詣期間を設けています。

  • 春:3月13日から5月13日
  • 秋:10月1日から11月30日

御祈祷の受付は午前9時から午後4時で、予約は必要ありません。
といっても、必ずしもこの期間じゃなくても祈祷は受け付けているようですけどね^^;

祈祷料は

  • 一週間のご祈祷   5,000円
  • 一ヶ月間のご祈祷  7,000円
  • 一年間のご祈祷   13,000円

です。
御祈祷すると、智慧の箸のほか、お守り、お札、13品のお菓子が頂けます。
そして、1年間の祈祷の場合はさらに、数珠がプラスされます。

さらに、前もって用意しておきたいものは、好きな漢字1字です。
この漢字が自分の授かりたい漢字になります。

服装に関してですが、正式儀礼としては着物を着ます。
男の子は羽織袴、女の子は本絶ちの肩上げした晴れ着です。

ただし、必ずしも着物でないといけないわけではありません。
学校の制服でも良いですし、フォーマルな服装で良いと思います。

また、言い伝えでは、参拝をした後、渡月橋を渡りきるまで振り返ってはいけないと言われています。
振り返ってしまうと、せっかく頂いた智慧を落としてしまうのだそうです。

または、渡月橋ではなく、境内からでるまでという説や、境内にある石橋まで、という説もあるようです。

有名なのは「渡月橋を渡るまで」ですが、あくまで言い伝えですので、お好みでチョイスしてください^^

電気・IT系の方は参拝必須!電気の神様を祀る電電宮

法輪寺 電電宮

法輪寺の参道を上がる途中、電電宮という社があります。
こちらはなんと、電気電波の神「電電明神」をお祀りしている社なんです!

いかにも最近できた社に思えますよね^^

実は道昌の時代までさかのぼる、法輪寺の鎮守社五社明神の一つなのです。
案内板には、電電陰陽融合光源の徳を祖とした鎮守として崇められている、と書かれていました。

つまり、雷や稲妻の神様ということです。

雷や稲妻は昔、農作物を実らせるものの一つと考えられていましたので、そういう神様を祀る社があってもおかしくありません。

それが現代になって、電気の神様として祀られているんですね。
こちらには名だたる電気・IT系の企業が参拝しているようです。

本殿横の寺務所ではお守りが販売されていますが、その中に「マイクロSD御守」なるものもありました^^
この中に御本尊のお姿が画像で保存されているそうです。

電気・IT関連にお勤めの方はぜい嵐山にお越しの際は参拝してください^^

法輪寺境内からは嵯峨野をはじめ、京都市内まで一望できる

法輪寺 展望台

法輪寺は嵐山の中腹で、ちょっとした高台になっているのですが、ここからは嵯峨野をはじめ、京都市内まで一望できる展望台があるんです!

こちらは渡月橋方面。
渡月橋は真下にあります。

法輪寺 景色

こういう角度で見る渡月橋も珍しいですね^^

そしてこちらは京都市内方面。

法輪寺 景色

遠くは東山まで見えますが、京都タワーも見えるんです。

法輪寺 景色

肉眼で見るにはちょっと遠いですが、こういう時に双眼鏡や単眼鏡を持っていれば役立ちます^^

私が持っているのはこちら。

単眼鏡 テレスコープ
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仏像巡りをしていると、内陣の奥に祀られている仏像も外陣から見ることができますし、博物館などで小さくて細かい装飾を見ることもできます。
もちろん、こういう景色を堪能するのにも役立ちます。

ただし、暗いところでは使えませんし、高倍率のズームはできないのですが、こういうちょっとしたときに使えて、手のひらサイズですので持ち運びに邪魔にならないのが良いですね^^

法輪寺の御朱印

法輪寺は、京都十三佛霊場の第十三番札所に指定されています。

法輪寺 御朱印


本尊の虚空蔵菩薩は、残念ながら秘仏なので見ることはできません。
代わりにお前立の像に拝むことになります。

御開帳については聞いたことがないのですが、御開帳されることはあるのでしょうか?
ちょっとわかりません^^;

もしそういう情報があれば追記しようと思います。

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