弥山 山頂の巨石

宮島といえば、厳島神社を思い浮かべますよね。

厳島神社は参拝するけど、「弥山(みせん)」には寄らずに帰ってしまう人は多いようです。
そもそも弥山を知らないという方も多いのではないでしょうか?

「弥山」は、標高535mの山で、宮島全体のパワーが集まる場所。
いわゆるパワースポットですね^^

頂上付近まで登ると巨石がごろごろと転がっていて、その風景はまるで古代遺跡のようです。
そしてなんといっても、360度瀬戸内海を見渡す景色!

宮島を篤く信仰した伊藤博文は、弥山山頂からの景色を見て「日本三景の一の真価は頂上の眺めにあり」と言ったそうです。

厳島神社の風景も美しいのですが、それとは別の美しさが弥山にはあります。
その美しさは「ミシュラングリーンガイドジャポン」で三ツ星を獲得するほどの実力なのです。

今回は、弥山までのアクセス方法や弥山の魅力を紹介します。

弥山は厳島神社ができる前から信仰の山だった

弥山は、厳島神社の背後にそびえる山です。
厳島神社が建つ以前から信仰の山で、神が降臨したという霊験あらたかな山とされてきました。

弥山 観音

上の写真、山の稜線に注目してみてください。
仰向けになった観音様の横顔に似ていませんか?^^
その観音様の額にあたるところが弥山の山頂です。

そして、弘法大師 空海もここで修業したと伝わっています。
その時に炊いた護摩の火は現在も燃え続けており、「消えずの火」と呼ばれて恋人の聖地になっています。

なので、若いカップルにも人気なんです。

弥山へのアクセス

弥山に登るには、登山コースを行く方法と、ロープウェーで行く方法があります。

大抵の方はロープウェーを利用します。
厳島神社には楽しむところがたくさんありますからね^^

2度目、3度目の訪問の方は、登山にチャレンジするのも良いかもしれません。
「弥山原始林」こそ世界遺産に指定されているものなので、その景観を眺めながらの登山コースは、また違った楽しみ方ができます。

弥山まで徒歩で登る方法

登山コースは、

  • 紅葉谷コース
  • 大聖院コース
  • 大元コース

の3つ。
どのコースを利用しても、片道1時間半~2時間以上はかかります。

それぞれのコースに見どころもありますので、山頂付近での散策も含めると、1日がかりと思ってよいでしょう。

登山コースの情報は、廿日市市の観光情報ページ、または大聖院のページに詳しく書かれていますので、そちらを参考にしてください。

弥山にロープウェーで行く方法

宮島ロープウェー

弥山に登るロープウェーの出発駅は「紅葉谷(もみじだに)駅」。

2種類のロープウェーを乗り継いで、弥山の中腹にある「獅子岩駅」に到着します。
所要時間は、20~30分です。

紅葉谷駅は、弥山の麓、紅葉谷公園にあります。
下の地図を見ると、厳島神社からも宮島桟橋からも少し離れていることがわかります。

宮島マップ
宮島ロープウェー公式HPより

徒歩での距離は、

  • 宮島桟橋から:約25分
  • 厳島神社から:約16分

ちょっと遠いですね^^;

厳島神社から徒歩6分地点、紅葉谷公園に入る手前には、駅まで無料送迎してくれるマイクロバスの乗り場があります。

宮島ロープウェー 無料送迎バス

運行間隔20分、乗車時間3分です。
乗車時間は少しだけですが、駅までの坂を登ることができます。

目の前でバスを逃してしまったり、人がいっぱいの時は歩いた方が良いかもしれません。
徒歩でも10分の距離ですらかね^^

徒歩で行く場合は、きれいな紅葉が見られる紅葉谷公園を通ります。
その時期なら、むしろ歩いてみても良いですね。

ロープウェーの料金と割引情報

ロープウェーの料金は、大人の場合で

  • 片道:1,000円
  • 往復:1,800円

となっています。
子供はその半額です。

しょうがないですが、ちょっと高いですね^^;

でも、お得な情報もあります。

広島電鉄の「一日乗車乗船券」を利用する

広電の一日乗船券は、大人840円(小児420円)。
それで広電電車全線が1日乗り放題のほか、宮島松大汽船(宮島口~宮島航路)にも乗ることができます。

宮島ロープウェーに関しては、大人往復で通常1,800円→1,350円となります。
(小児往復 通常900円→700円)

広島市内から来られる方は、かなりお得ですね。
例えば原爆ドーム前から広電で宮島口まで行くとすると、片道260円(往復520円)。
フェリーに乗って、片道180円(往復360円)です。

これだけで往復880円かかっていますし、弥山に登らなくても元が取れます。
弥山に登ればさらに450円もお得になります。

宮島口にある「もみじ本陣」に行くと、もみじ饅頭が3個貰え、割引券を使って買い物することができますので、お土産を探している方にも便利です。

一日乗車乗船券の販売場所は、車車内乗務員(運転士・車掌)、広島駅電車案内所(路面電車のりば)、電車定期券窓口、広島市内主要ホテルなど。
詳しくは広島電鉄のHPをご覧ください。

宮島松大汽船の「宮島弥山エンジョイチケット」を利用する

宮島口から宮島へ渡るフェリーを運営する「宮島松大汽船」では、「宮島弥山エンジョイチケット」を販売しています。

これは、「フェリー往復」+「ロープウェー往復」が1,800円となるチケットです。

通常ならフェリー往復360円、ロープウェー往復1,800円ですから、フェリー分がお得ですね。

広電の「一日乗車乗船券」は、車で来る人にはお得感はありませんが、こちらは車で来る方もお得になります。

有効期限が、購入日含め2日間となっているのもポイントですね。
宮島で1泊しても、次の日に使うことができます。

その他、松大汽船では、片道登山、片道ロープウェー用の「宮島弥山アクティブチケット」もあります。

販売場所は、宮島松大汽船「宮島口窓口」 です。

チケットについて、詳しくは宮島松大汽船の公式HPをご覧ください。

ロープウェーを降りてからも結構歩きます

弥山 マップ

上は弥山の山内マップです。

ロープウェーの終着点「獅子岩駅」は、マップの下の方に描かれていますね。

そうなんです。
ロープウェーで登れるのは中腹までなんです^^;

「獅子岩駅」で降りても、山頂までは歩く必要があります。

どのくらい歩くのかというと、獅子岩駅から霊火堂までは徒歩20分、さらに霊火堂から山頂までは10分かかります。
つまり、片道30分、往復で1時間はかかるのです。

山内の道は全体的に歩きやすく整えられていますが、自然の地形を利用した歩きにくい部分もあります。
歩きやすい靴で行った方が良いですね。

いきなり絶景!獅子岩展望台から見える瀬戸内の景色

獅子岩駅を出ると、すぐ裏に「獅子岩展望台」があります。

獅子岩展望台

着いてすぐですが、いきなり素晴らしい眺め^^
まだ433mの高さですが、十分な絶景なので、山頂と間違えてしまいそうですね。

ここからは宮島から北東方向の島々や広島市内まで見えるのですが、島の方角には、その島の名前が書かれたプレートが貼られています。

獅子岩展望台 眺め

有料の望遠鏡も置かれているのですが、ぜひ覗いてほしいのが、プレートの上にある覗き筒。
その名前の島が見える仕組みです。

獅子岩展望台 眺め

この筒があれば、どの島だあの島だの議論は必要ありません。
なかなか面白いやり方ですね^^

知らずに通り過ぎる人がほとんどですが、ぜひ覗いてみましょう。

駅の2階にはレストルームもあります。
そこも展望室になっていて、眺めは良好、軽食もとることができます。

ここから先に進むと飲食店はありませんので、必要な方はここで済ませておきましょう。

また、2階には恋人の聖地にちなんだ「誓いの火のモニュメント」や、「ハートインもみじ饅頭」という、カップルでもみじ饅頭の手作り体験ができる工房などもありますよ。

恋人の聖地、霊火堂

獅子岩駅から弥山本堂・霊火堂方面へ向かう道は、最初は下り坂です。

弥山 登山道

最初は綺麗に整った道なので歩きやすいのですが、一旦下ってから、もう一度登るんですよね^^;
登るとわかっていて下がるのはなかなかしんどいです><

途中でこんな岩場の間も通ります。

弥山 岩場

人一人しか通れないような岩場なので、すれ違う人がいれば交互通行になります。
こんな感じで、歩きにくい場所も進んでいきます。

運動不足の人にはちょっとハードかもしれません^^;
でも、途中で瀬戸内海を見下ろす景色も見えるんですよ^^

弥山 登山道 景色

山道って、まわりの木が高くて景色があまり見えないことが多いのですが、時々こういう景色が見られると癒されますね^^

獅子岩駅から歩くこと20分。
お堂が見えたところで、恋人の聖地に到着です。
入り口では不動明王がお出迎え。

弥山 本堂 入口

この境内では、弥山本堂と霊火堂が向き合って建てられています。

こちらが弥山本堂。

弥山本堂

806年、弘法大師 空海が開基となっています。
こちらには虚空蔵菩薩(こくうぞうぼさつ)を本尊とし、脇侍に不動明王と毘沙門天が祀られています。

「空海」「虚空蔵菩薩」と聞いて、「虚空蔵求聞持法(こくうぞうぐもんじほう)」を思い浮かべた方。
なかなかツウですね^^

虚空蔵菩薩は無限の知恵と慈悲を持った仏で、人々に知恵や記憶力を授けるとされています。

空海は、唐に渡って密教をマスターし、多くの経典を日本にもたらしたとされていますが、それは唐に渡る前に虚空蔵菩薩の力を授かったからできた偉業だとされているんですね。

その、虚空蔵菩薩の力を得るために行った修行が「虚空蔵求聞持法」です。

虚空蔵求聞持法は、虚空蔵菩薩の真言(呪文のようなもの)を100万回唱える修行。
空海はこれを成し遂げて、あらゆるものを記憶する力を手に入れたのです。

100万回も同じ呪文を唱え続けると、自分が何を言ってるのかわからなくなりそうですね^^;

ここには五角形の形をした「互角絵馬」があります。
合格祈願の絵馬ですね^^

虚空蔵菩薩のご利益が得られるこの絵馬、受験生は見逃せないポイントですね^^

次は霊火堂。
弘法大師が修行をした際に使った護摩の火が、今もなお燃え続けている場所です。

弥山 霊火堂

1200年以上も燃え続けているこの日は「消えずの霊火」または「消えずの火」と呼ばれています。
これは、広島平和記念公園の「平和の灯」の元火にもなっているのです。

この場所が「恋人の聖地」とよばれているのは、この消えない火が、燃え続ける愛の炎に見立てて、それにあやかったもの。

ここで絵馬を3回以上奉納すると、願いが叶うのだそうです。
そして、この火で沸かした霊水を飲めば、「万病に効く」とか、「幸せが約束される」とされています。

お堂の横にある納経所には、ハート絵馬やえんむすび絵馬などが用意されていますよ^^

霊火堂 絵馬

御朱印もこちらで頂きます。
弥山本堂の御朱印です。

弥山本堂 御朱印

霊火堂の中に入ってみると、真ん中に茶釜があり、奥には不動明王が安置されています。
不動明王の周りには、たくさんのロウソクが灯されていました。

部屋の中は煙がもうもうとして、目が開けられないほど煙たい空間になっていました。

そしてこちらが消えずの・・・

霊火堂 消えずの火

あれ?

霊火堂 消えずの火

消えていませんか?
どう見ても消えているように見えるのですが^^;
1200年の伝統が・・・

実は、消えて見えるようで、槙を入れればそれだけで火がつくのだとか。
その不思議さも聖なる火の証でしょうか?

釜の横には、霊水を汲むための柄杓とコップが用意されてます。

消えずの火 霊水

これで釜から霊水を汲みます。

消えずの火 霊水

これを飲むことでご利益を得られるわけです。

私も飲みましたが、熱いですし、煙に包まれているからかスモーキーな味わい。
そんな美味しい水ではありませんね^^;
でも、ご利益を頂きたいので、なんとか飲み干しました^^

頂上に差し掛かるまでパワースポットがたくさん

霊火堂の横には、山頂に登るための石段があります。
ここから約10分で山頂に到着するのですが、その途中にも見どころがたくさんあります。

霊火堂から登ってすぐのところにある「三鬼(さんき)堂」。

三鬼堂

その名の通り、3匹の鬼神を祀っているお堂で、鬼を祀っているのは日本で唯一なのだとか。

  • 追帳(ついちょう)鬼神:「福徳」を司る鬼神(本地仏は大日如来)
  • 時眉(じびき)鬼神:「知恵」を司る鬼神(本地仏は虚空蔵菩薩)
  • 魔羅(まら)鬼神:「降伏」を司る鬼神(本地仏は不動明王)

この3匹を合わせて「三鬼大権現」と呼びます。
三鬼大権現は、真言密教系の修験道で信仰されていた鬼神です。

弥山の守護神で、天狗を従えて衆生を救うのだとか。
「家内安全」「商売繁盛」のご利益があるそうです。

ちなみに三鬼堂の「三鬼大権現」と書かれた扁額は、伊藤博文直筆なのだとか。
(写真が撮れていませんでした^^;)

伊藤博文は三鬼大権現を篤く信仰していたそうで、私財を投じて山道を整備したのも伊藤博文なのです。
私たちが気軽に弥山に行けるようになったのも、伊藤博文のおかげですね。

ここから先は、巨岩・奇岩のオンパレードです。
まずは、2つの巨岩が巨岩を支えた「不動岩」。
中が気になりますね^^

弥山 不動岩

入ったところに不動明王が祀られていました。

弥山 不動明王

お次は「くぐり岩」。

弥山 くぐり岩

自然にできたトンネルです。
このトンネルをくぐって登山道が続きます。

ここまできたら山頂は目前。
途中も巨石や景色を楽しめます。
麓では見られない風景ですね^^

弥山 巨石

弥山 巨石

弥山 風景

そして山頂到着。

弥山 山頂

山頂にはこんなに岩がゴロゴロしています。

弥山 山頂の巨石

宮島はもともと一つの大きな岩だったそうなんです。
それが削られて今のような形になったんですね。

なので、弥山こそが宮島の原点。
弥山に来ずして宮島を語るなかれ、ですね^^

山頂には快適な展望台と360度の大パノラマ

弥山展望台

山頂には3階建ての展望台があります。
まさかこんな立派なものが建てられているとは思いませんでした^^

3階はもちろん、周りを見渡す大パノラマ。

弥山 風景

景色の良かった獅子岩駅も下の方に見えます。

弥山 山頂

反対側は残念ながら視界不良でしたが、天気が良ければ四国連山まで見えるのだとか。

弥山 四国連山

2階は休憩所になっています。
広々とした椅子で、涼しくて快適な空間です。

弥山 展望休憩所

ここでのんびり過ごすのもなかなか良いですよ^^

ただし展望台は、利用時間が10:00~16:00となっています。
利用時間以外は施錠されるのでお気を付けください。
(トイレは24時間利用できます。)

時間があれば、厳島神社の奥の宮 御山神社へ

弥山 マップ

弥山の山内マップを再掲します。
御山(みやま)神社は、弥山本堂から山頂への登山道からちょっと離れたところにあります。

御山本堂から片道10分の距離です。
ロープウェーで行き来する方は往復20分かかるので、ちょっと手間ですよね^^;

でも、御山神社はパワースポットとして知られる場所なんです。
ここを目的として弥山に登る人もいるんですね。

こちらが御山神社。

弥山 御山神社

今は神主さんもいない無人の神社で、3つの朱色の社殿が並んでいるだけです。
でも、賑やかな御山本堂あたりとは違い、凛とした空気が漂うんですよね^^

御山神社は、平清盛の時代に厳島神社の奥の宮と定められました。
祀られていたのは、先ほど紹介した、弥山の守護神「三鬼大権現」です。
元々はここが三鬼堂だったんですね。

それが、明治の神仏分離で三鬼堂は現在の場所に移り、この場所は宗像三女伸を祀る「御山神社」となりました。

宗像三女神は、厳島神社と同じ神様です。

  • 市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)
  • 田心姫命(たごりひめのみこと)
  • 湍津姫命(たぎつひめのみこと)

ここは授与所がないので、お守りや記念品は買えませんが、とにかく空気感を味わいに行ってみてください。
パワースポットとされる理由がわかりますよ^^


弥山に登る場合、ロープウェーには運行時間があります。
帰りの時間に間に合わないと、歩いて下山することになりますので、ご注意ください。

運航時間は、季節によって変わります。
また、保守点検などで運休することもありますので、宮島ロープウェーの公式サイトを確認していくと良いですよ。