ゑびす屋加兵衛

下鴨神社の近くに、「ゑびす屋加兵衛」という老舗の和菓子屋さんがあります。
ここには、神社の由緒にちなんで作られた矢来餅(やきもち)という焼き餅があるんです。

焼き餅と言えば上賀茂神社の横にある神馬堂が有名ですが、下鴨神社にも神社と縁がある焼き餅屋さんがあるんですね^^

神馬堂は、私が初めて食べた時、その美味しさにびっくりしたお店。
ゑびす屋加兵衛の矢来餅も、もしかしたらそれに匹敵するのではないか?と思い、お店に行ってみました。

上の写真は、神社から西側、下鴨本通りにあるゑびす屋加兵衛の神社前支店。
神社から一番近いですし、お店は狭いですが、少しだけイートインスペースもあります。

私が訪れたのは夕方の16時半。
半端な時間なので、誰もいませんでした^^v

お茶席では、矢来餅2個と緑茶のセットが頂けます。
他にも、矢来餅1個とみたらし団子、緑茶のセットなどもあるようですが、まずは矢来餅をじっくり味わってみようと思って、矢来餅の2個セットにしました。

それがこちら。

ゑびす屋加兵衛 矢来餅

お餅は1個130円、このセットで420円です。

焼き目があるので表面固めなのかと思いきや、柔らかい生地。
中にはつぶ餡が入っています。

ゑびす屋加兵衛 矢来餅

つぶ餡にはしっかり味がついていて、皮の食感も感じられます。
そして、食べる瞬間はしっかりしていてもくどくなく、飽きません。

煎茶がセットでついていて、それが相乗効果を感じさせるんですよね^^

矢来餅の名前の由来ですが、これは下鴨神社の縁起に関係しています。

下鴨神社の記事でも紹介したのですが、下鴨神社の神様は、賀茂建角身命(かもたけつぬみのみこと)という神様と、その娘玉依媛命(たまよりひめのみこと)です。

そして、玉依媛命の子供が上賀茂神社の神様賀茂別雷命(かもわけいかづちのみこと)

そのような親子関係があるのですが、では、賀茂別雷命の父神は誰なのか?

実はそれが、火雷命(ほのいかづちのみこと)という神様なのですが、その正体というのがじつは、赤い丹塗矢なんです。

どういうことか?

玉依媛命が加茂川にいたところ、上流から一本の赤い塗り矢が流れてきたのだそうです。
玉依媛命は矢を拾い、家に持ち帰って、寝る時も枕の上に置いて大切にしていました。
そうしたある日、玉依媛命はご懐妊したのだとか。

なので賀茂別雷命の父親は、1本の丹塗矢なんですね。
下の写真は、下鴨神社で販売されていたTシャツ。

丹塗矢 Tシャツ

下鴨神社の神紋であるフタバアオイと丹塗矢です。

このような矢が父親だなんて、なんとも不思議な話ですが、このような伝説が下鴨神社の縁起にあるんです。
「矢来餅」という名前はそこから来たものなんですね^^

今回はお店で頂きましたが、特に焼きたてというわけではありませんでした。
本店で焼いて、支店は販売しているだけなんでしょうね。

焼きたてでなくでも美味しいのですが、今度は焼いたものを食べてみたいですね。
買って帰って、家で焼けば良かったかな~と、後悔しています^^;
今度行った時は買って帰ろうと思います。

ちなみに、矢来餅は地方発送も承っているそうで、日持ちするようです。
JR京都伊勢丹でも売店があるそうですので、お土産にも良いですね^^

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