極楽寺 山門

四国八十八ヶ所一番札所の霊山寺から約1km、車で5分ほどのところに、二番札所極楽寺(ごくらくじ)があります。

一番札所と同様に、奈良時代の高僧、行基が開創して、後に弘法大師 空海が修行しています。
この地では「阿弥陀経」を読誦していたのですが、その結願の日(最後の日)に阿弥陀如来が現れたのです。

それで阿弥陀如来の姿を忘れないうちに刻み、それを本尊としてお納めし、四国八十八ヶ所霊場の第二番札所に定めたそうです。

御利益を授けてくれる安産大師や、願掛け地蔵などがいらっしゃいますし、空海お手植えの長命杉など、小さいながらに見どころも多いお寺です。
参道途中にある、極楽浄土を模したという庭がとてもきれいです。

極楽寺 参道

弘法大師の前に現れた阿弥陀如来の姿を彫刻した像を祀る 本堂

極楽寺 本堂

本堂と大師堂は、境内の一番奥、階段を登ったところにあります。
階段を上ってすぐあるのが本堂。

極楽寺 本堂

更に奥にあるのが大師堂です。

極楽寺 大師堂

極楽寺 大師堂

山門をくぐったら、まずはこの本堂を参拝、そして大師堂を参拝します。
途中で御利益のある仏様がいくつかいらっしゃいますが、やっぱりボスから挨拶しに行くのが巡礼の決まりです^^

本堂に祀られている阿弥陀如来は国の重要文化財にも指定されています。

極楽寺の山号は「日照山」というのですが、これは御本尊に由来します。
お大師様によってお寺に納められた本尊ですが、昔、この仏像から差す後光があまりにもすご過ぎて鳴門の長原沖まで達し、そこの魚が驚いて逃げてしまうため、漁師たちが困る事態となったのです。

そこで漁師たちは阿弥陀様にお願いして、本堂の前に小山を築いて光を遮ったところ、それからは大漁が続いたのだそうです。

それだけパワーのある阿弥陀様で、そのお顔は素晴らしく慈愛に満ちているのだそうですが、残念ながら秘仏で公開されていません^^;

でも、願いは届くと思いますので、しっかり祈りたいですね。

安産・子授けのお寺としての極楽寺

極楽寺の境内には、子供を抱いている像や子供の像がちらほら見受けられます。

まず、山門から入ってすぐのところにある招福弁財天前にはかわいらしい子供の像。

極楽寺 子供像

そして参道をもう少し進んだところにいる、子授招福大師。

子授招福大師

お大師様が子供を抱えていらっしゃいます。

険しい顔ながらも優しく子供をかけていらっしゃるお大師様も。

子育大師

これだけいると、安産・子授けのお寺らしいですね^^

そして、本堂と大師堂の間には、安産大師と呼ばれるお大師様もいらっしゃいます。

この安産大師が霊験あらたかなんです。
子宝に恵まれない人には子宝を授け、妊娠した女性には安産させてくれるのだそうです。

極楽寺 安産大師

安産大師の横には、お礼参りの絵馬とお守りがたくさん掛けられていました。

極楽寺 安産守り

子供を授かりたい方、元気な子を産みたい方は極楽寺でお願いすると良いですね^^

霊験あらたかで知られる願掛け地蔵

極楽寺 願掛け地蔵

山門をくぐってすぐのところには、お地蔵さんがいらっしゃいます。
このお地蔵さんは「願掛け地蔵」といって、霊験あらたかで知られているんです。

このお地蔵さんに願掛けをして、病気が治った方、就職できた方、など、色々と御利益の逸話が残っているのだそうです。
近くでくつろいでいた地元の人らしき人が色々と教えてくれました^^

願掛け地蔵

願の掛け方ですが、お地蔵さんの前にはコップがたくさん置かれていますので、まずはこれに水をお供えします。
横に蛇口があるので、これでOKです。

お賽銭を入れて心静かに合掌し、横に書かれているご真言、

「おんかかか びさんま えい そわか」

を真心を込めて唱えます。
そして、それとともに、自分も精進努力することを誓うのです。

「努力」というのは「頑張る」ということですが、単に頑張るということだけでなく、

「○○が成就するまで、私の好きなコーヒーを絶つ」

など、リスクを負うくらいの気持ちを持つことが「頑張る」ということなのだとか。
その気持ちを持って頑張れば、お地蔵さまは必ず願いを叶えてくれるのだそうです。

逆に、それくらいの気持ちがなければ願いは叶わず、お地蔵さまに笑われてしまうのだとか。
ご真言に「かかか」という部分がありますが、それが、笑う仏様と言われる所以なのだそうです。(本当かな?)

更にダメ押し願掛け!一願水掛不動尊

極楽寺 観音堂

薬師堂・観音堂前には願掛けスポットが二ヶ所あります。
その一つが、参道から入って右手一願水掛不動尊です。

一願水掛不動尊

二体の脇侍仏、制多迦童子(せいたかどうじ)(左)と矜羯羅童子(こんがらどうじ)(右)を従えています。

外に置いている仏像なのに、天蓋が豪華ですね^^

極楽寺 一願水掛不動尊

そして制多迦童子がかっこいい♪

極楽寺 制多迦童子

一願水掛不動尊は、水を掛けてから願掛けします。
ただ、お不動さんは、柄杓で水を掛けるにはちょっと高い位置にいらっしゃるので、うまく掛けるにはちょっと難しいです^^;

二体の脇侍には簡単に掛けられるんですけどね^^;
でも、うまく掛けられれば願いも叶いそうな気がします^^

触れれば家内安全・病気平癒・長寿を授かる 長命杉

極楽寺 長命杉

薬師堂・観音堂前のもう一つの願掛けスポットは長命杉です。

これは、お大師様お手植えなのだそうです。
ということは、樹齢1200年以上はあるということですね!

大きいので、写真に収まりません^^;

極楽寺 長命杉

この杉は、お大師様が「この寺を末永く守護せよ」と祈りを込めて植えたのだそうで、今まで台風や火災などの災害にも耐え抜いているのだそうです。

そういうこともあって、幹に触れれば長寿、家内安全、またその手で自分の悪いところをさするとたちまち平癒すると言われています。

願いがかないやすいかどうか確かめられる おもかる地蔵

今まで願を掛ける仏様がいらっしゃいましたが、その願いがかないやすいかどうか確かめられる方法があります。
それが、本堂と大師堂の間の参道にいらっしゃるおもかる地蔵です。

極楽寺 おもかる地蔵

小さいお地蔵様ですが、参道に目立つようにいらっしゃいますのですぐわかります^^

何の解説も書かれていないのですが、境内を掃除していた方に教えてもらいました♪
四国の方は親切ですね^^

このお地蔵さんに願い事をした後、このお地蔵さんを持ちあげてみます。
その時、自分が思っているより軽かったら願いが叶いやすく、重かったら叶いにくいのだそうです。

小さいですが、それでも石で出来ているので、普通に持つと重いです。
願を掛けて持つとどうでしょうか?それは自分次第ですね^^

極楽寺の御朱印

極楽寺の御朱印です。

極楽寺 御朱印


極楽寺の山門をくぐって左側には、巡礼用品やおみやげを販売する売店を兼ねた納経所があります。

極楽寺 納経所

足りないものがあればこちらで買い足すことができますよ^^

また、極楽寺では宿坊も用意されています(要予約)。
歩き遍路をされる方で、このあたりで宿坊を探している方は極楽寺の公式サイトに宿坊の詳細が載っていますのでそちらをご覧ください。

ここから三番札所の金泉寺までは約3km。車では約10分ほどです。