中門

南禅寺と言えば、桜・紅葉の名所として有名なところですね^^
ゆっくり見れば1日過ごせるほど境内も広いです。
これを見ればつい京都に行きたくなってしまうJRのCMでも紹介されていました。

南禅寺は、臨済宗南禅寺派の大本山です。
正応4年(1291年)、亀山法皇が無関普門禅師(大明国師)を開山に迎えて開創されたお寺で、室町時代の禅宗の寺格制度では、京都五山、鎌倉五山の両五山の上に別格として置かれたほどのお寺です。

ご本尊は釈迦牟尼仏。
境内の出入りは自由ですが、三門、南禅院、方丈は有料拝観になっています。

境内散策

南禅寺 三門

中門をくぐるとすぐ見えてくるのが、南禅寺の三門(別名:天下竜門)。
日本三第三門の一つに数えられていて、時代劇や映画のロケ地にも良く使われています。
(残り二つは、知恩院三門と東本願寺大師堂門)

現在の三門は、藤堂高虎(戦国時代から江戸時代初期にかけての大名で、伊予国今治藩主)が大阪夏の陣に倒れた家来の菩提を弔うために再建したもの。
三門は下から眺めたり、門をくぐることができますが、右側の山廊から上層の楼(五鳳楼)に登ることもできます。
(五鳳楼に登る場合は拝観料500円)

南禅寺で有名なのは、三門からの眺め

北西方面に向かって京都の町並みが見渡せるんです!

歌舞伎の作品の中で石川五右衛門が「絶景かな」と称した眺めでもありますので、桜や紅葉の季節にはぜひ上っておきたいところですね^^
(注:あくまで作品の中での話で、実際にはこの三門は石川五右衛門の死後に作られています^^;)

そして五鳳楼の中には、宝冠釈迦座像を本尊として、その脇士に月蓋長者、善財童士、左右に十六羅僕が配置されており、天井には狩野派による鳳凰や天上の絵が描かれています。
もちろん、徳川家康の像と、その重臣の位牌も安置されています。

三門前には、高さ6mの日本一大きな灯篭もあります。

南禅寺 日本一の灯篭

ロープが張られていて近くまでは行けないのですが、3mくらい離れて見ている人よりも大きいのがわかりますね。
三門からさらにまっすぐ歩いていくと、南禅寺の中心となる建物、法堂(はっとう)があります。

南禅寺 法堂前

内部には、本尊の釈迦如来三尊像(脇侍に文殊菩薩と普賢菩薩)が安置されています。

南禅寺の法堂は普段は中には入れませんし、中も暗くてよく見えにくいのでお参りだけして次へ行ってしまう人も多いのですが、実はこの中の上の方を覗いてみると、天井に雲龍図が見えます。

南禅寺 雲龍図

禅宗の法堂の天井には、縁起が良いとされる「昇り龍」が描かれているんですね^^
龍は、仏法を守る象徴とされています。

法堂という場所は、僧侶が仏教を講義する講堂のようなものであったり、法式行事や公式の法要が行われる重要な場所なので、師から弟子へ代々法を受け継がれて行くのを見守っているわけですね^^
法堂では、お参りした後ぜひ天井を覗いてみましょう^^

さらに奥に行くと方丈があるのですが、途中右側に水路閣(すいろかく)と、南禅院があります。

下のモダンな感じな建物が水路閣です。

水路閣

なぜこんな「和」とは程遠い建物が南禅寺の境内に?と不思議に思えますが、実は南禅寺と深い関係があるわけではありません。
(南禅寺の公式サイトでも紹介されていません^^;)

この橋は、琵琶湖から京都に疎水するために明治時代に作られたものです。
上に登ると水が勢いよく流れているのを見ることができ、現在も現役で使われているのがわかります。
(毎秒2トンの水が流れているそうです)

ではなぜこの場所なのか?というと、それはたまたま境内を横切っているだけで、琵琶湖から京都市内へのルート上、ここを通らざるを得なかったんですね。
当時は景観が崩れると反対もあったようです。

しかし、京都の水脈は、地下水か、市内から北側にある小さな川くらいしかありません。
決して豊富ではなかったんです。

琵琶湖から水をひくのにはいくつもの山を貫く必要があるのですが、当時としてはこれは大事業。
現在も京都市のほとんどの水は琵琶湖疏水が運んできた水ですので、南禅寺とは関係ないかもしれませんが、重要な施設なんですね^^
ドラマの撮影にも良く使われています。

そして、水路閣の向こう側に行くと、「南禅院」があります。
(拝観料:300円)

南禅院

南禅院は南禅寺発祥の地で、開創者の亀山天皇が出家して法皇となった離宮跡です。
その離宮を南禅寺に寄進し、"南禅院"と呼ばれるようになっています。

当時のものは応仁の乱で崩壊しており、現在の建物は徳川綱吉の母、桂昌院の寄進にで再建されたものです。
でも、池泉回遊式庭園は鎌倉時代当時の面影が残っているそうですよ^^

ここの庭園は京都の三名勝史跡庭園の一つ(残り二つは天龍寺庭園、苔寺庭園)と言われています。
四季折々の風景が楽しめますし、特に紅葉の時は訪れたいところですね^^

そして水路閣の方に戻り、南禅寺の一番奥に行くと、国宝にも指定されている「方丈」があります。

南禅寺 方丈

方丈では大方丈、小方丈が繋がっていて、桃山前期の狩野派絵師による多数の襖絵や庭園を見ることができます。
(拝観料:500円)

狩野派の技術は素晴らしい限りですが、襖絵は撮影禁止なので、庭を紹介します。
下の写真は、有名な「虎の子渡し」という枯山水の庭です。

南禅寺 虎の子渡し

3匹の子を連れた虎が川を渡る様子を表したそうですが、よく見ると川から顔を出したトラ達が渡っているように見えるような見えないような^^;
この写真は真冬に行った時の写真ですが、南側に面しているので、座って眺めていてもすごく暖かい場所でした^^

「心」の字形に庭石を配置したという「如心庭」

南禅寺 如心庭

心と描かれているのかどうか、私にはよくわかりません^^;
上からさかさまに見たらそう見えそうな気がしたので、試しにgoogleマップで見てみたのですが、やっぱりよくわかりませんでした^^;

仙人の住む庭を表した「蓬莱神仙庭」

南禅寺 蓬莱神仙庭

中国に「蓬莱山」という仙人が住むと言われている霊山があるのですが、それを表しているそうです。
曲線美がきれいな庭ですね^^

仏教で言われている6つの迷いの世界、"六道"(天道、人間道、修羅道、畜生道、餓鬼道、地獄道)を表現した、「六道庭」

南禅寺 六道庭

苔の生え方が場所によって違いますし、全体的にでこぼこしています。

快適そうな場所もあれば過酷そうな場所もあり、場所によって世界観が違っていて、迷いのあるものはこの6つの世界を輪廻していると言われています。

そしてそれは、実際の世界というよりも心の世界で輪廻しているので、心の状態を表しているということなんでしょうね^^
華厳思想の教えで、"響き合う宇宙のこころ」を表した「華厳の庭」

南禅寺 華厳の庭

難しくてわかりませんが、立て札にはこう説明されていました^^;

"華厳"という言葉は「花の飾り」を意味しており「華厳経」、正確には「大方広仏華厳経」(仏の飾りという名の広大な経典)における中心思想です。

華厳思想が説くところは、この世界の本当の姿は華の飾りのようであり、一つ一つの具体的な事物事象の波動が互に関係し合っており無限に重なって美しく宇宙全体に響き合っているという教えであります。

縁起のことでしょうか?
深すぎて難しいですね^^

御朱印とオリジナル御朱印帳

南禅寺の御朱印帳は、方丈の拝観受付で購入できます。
オリジナルの御朱印帳と、その他10種類ほどの御朱印帳が販売されています。

オリジナルでない方の御朱印帳は、おそらく鳩居堂から仕入れていると思われるのですが、表紙には南禅寺の寺紋が入っています。
そしてオリジナルの御朱印帳は、群虎図のケース付きでかっこいいですね^^

朱印入りのものしかないそうで、お値段は朱印込みの値段で1,700円。
オリジナルでないものは1,400円です。

南禅寺 オリジナル納経帳 南禅寺 御朱印


南禅寺は季節の変わり目で違う風景を楽しませてくれます。
桜の季節、紅葉の季節には訪れたい場所ですね^^

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