くぎぬき地蔵 石像寺

京都市上京区にある石像寺(しゃくぞうじ)は弘法大師が810年に開創したお寺で、本尊は地蔵菩薩です。
元々真言宗だったのですが、平安時代から浄土宗になっています。

ここは観光客はあまり来ないのですが、地元では釘抜(くぎぬき)地蔵として親しまれています^^

上の写真の通り、本堂の前には、大きな釘抜きの像があります。

本尊の地蔵菩薩は、大師が唐から運んできた石で自分でを刻んものなんだそうです。
諸悪、諸苦、諸病など、苦しみを抜き取るお地蔵様、ということから、くぎぬき地蔵と呼ばれるようになったんだそうです。

いたるところに八寸釘と釘抜きがかけられており、特に本堂は四面ぎっしり!

釘抜地蔵 本堂

「からだや心に釘がささったから抜いて下さい」

と祈願するとご利益があるそうです。

くぎぬき地蔵にまつわる伝説

石像寺には、本尊が釘抜地蔵と呼ばれるようになった、ある伝説が伝えられています。

弘治二年(1556年)の頃、京都で有数の大商人、紀の国屋道林という人がいたのですが、40歳の時、何事もないのに両手が非常に痛み、いろいろと治療をしても効果がなく、苦しんでいました。

その時、石像寺の釘抜地蔵が霊験あらたかと聞き、願掛けをしていたところ、満願の夕べに、夢で地蔵尊が道林にこのようなことを告げてきました。

「あなたのこの病は普通の病ではありません。
あなたは前世に人を怨んで仮の人形を作り、その両手に八寸釘を打ち、呪っていたのです。
その罪が帰ってきて今苦しみを受けているのです。
なので、昔の怨み釘を抜き取りました。これを見なさい。」

と二本の釘を示しました。

道林が夢から覚めると、両手の痛みはたちどころに治っていました。
急いで石像寺に拝みに行き、地蔵尊の前で伏せて拝むと、そこに朱に染まった二本の八寸釘があったそうです。
道林はその時から百日間参って奉謝しました。

難しいところを省きましたが、この時から釘抜地蔵と呼ぶようになったそうです。

石像寺はお百度参りをする近隣の方が多い

石像寺では、由緒の理由からもわかるように、お百度参りをする近隣の方が多いようです。
私が参拝している間もちらほらとお参りしている人がいました。

やり方は、本堂の横に竹の棒が置かれているので、自分の年齢分持って、本堂の周りを願いを込めながら周ります。
そして一周したら、竹の棒を返します。

竹の棒は、実際には回った数を数えられれば良いので、必ずしも年齢分持たなくても良いようですね^^
お参りしている人を見ると、本堂の四面の中央でお辞儀をしたり、触ったり、自分の体を触ったり、自分なりのまわり方をしていました。

おそらく、「からだや心に釘がささったから抜いて下さい」と何度も祈願しているんだと思います。

そして参拝して苦しみから逃れられたとき、お礼に釘と釘抜きを絵馬にして奉納すると良いそうです。
本堂の周りにある八寸釘と釘抜きは、願いが叶った人達の奉納によるものです。

釘抜地蔵 本堂

「御礼」って書かれてますね^^

石像寺の境内には、弘法大師が自ら掘って加持祈祷に使ったと言われる、京都三井の一つとされる井戸があったり、地蔵堂の背後には重要文化財の石像弥陀三尊像が安置されています。
一尊を台座、光背共に一石で作り出した石像としては全国的に最も古い年号を持つ像なんだそうですよ^^

石像寺の御朱印です。

釘抜地蔵 御朱印

達筆ですね^^

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