長刀鉾

前日の宵山に引き続き、山鉾巡行に行きました♪

私達は、四条河原町の交差点で、8~12トンもある大きな山鉾の方向転換させる「辻回し」を見るために、朝の8時から待機。
9時から四条烏丸交差点を出発してこちらに向かってくるのですが、8時の時点で交差点の丸井側には既に人がいっぱい!
日陰で良いポジションはすぐ人で埋まってしまいます^^;

私達は、その向かい側で見ることにしました。
目の前には辻回しで使う水が置かれています。

辻回し用の水

辻回しをする時、山鉾の下に青竹を何枚も敷いて、その上に水をかけて滑りやすくしてから回します。
そのための水です^^
炎天下の中、一番目の長刀鉾が来るのを待っていると、9時40分頃にやっとやってきました!

2012年の巡行順番

2012年の巡行は、以下の順番で行われました。
橋弁慶山から後の巡行になります。

  1. 長刀鉾なぎなたほこ・・・くじ取らず
  2. 郭巨山かっきょやま
  3. 霰天神山あられてんじんやま
  4. 蟷螂山とうろうやま
  5. 函谷鉾かんこほこ・・・くじ取らず
  6. 油天神山あぶらてんじんやま
  7. 綾傘鉾あやかさほこ
  8. 占出山うらでやま
  9. 月鉾つきほこ
  10. 孟宗山もうそうやま
  11. 太子山たいしやま
  12. 木賊山とくさやま
  13. 菊水鉾きくすいぼこ
  14. 伯牙山はくがやま
  15. 四条傘鉾しじょうかさほこ
  16. 芦刈山あしかりやま
  17. 鶏鉾にわとりほこ
  18. 白楽天山はくらくてんやま
  19. 山伏山やまぶしやま
  20. 保昌山ほうしょうやま
  21. 放下鉾ほうかほこ・・・くじ取らず
  22. 岩戸山いわとやま・・・くじ取らず
  23. 船鉾ふねほこ・・・くじ取らず
  24. 橋弁慶山はしべんけいやま・・・くじ取らず
  25. 北観音山きたかんのんやま・・・くじ取らず
  26. 鈴鹿山すずがやま
  27. 浄妙山じょうみょうやま
  28. 黒主山くろぬしやま
  29. 南観音山みなみかんのんやま・・・くじ取らず
  30. 鯉山こいやま
  31. 八幡山はちまんやま
  32. 役行者山えんのぎょうじゃやま
  33. 大船鉾おおふねほこ・・・くじ取らず

巡行の順番はくじ引きで行うのですが、「くじ取らず」となっている山鉾があります。
これらの山鉾は順番が固定されていて、毎年同じ順番で巡行します。

山鉾巡行の様子

まず最初の、待ちに待った一番目の長刀鉾が来る様子です^^

長刀鉾 長刀鉾

長刀が高く伸びています。

ちなみにこの長刀は、刃先が八坂神社や御所に向かないように、南向きについています。

祇園祭では毎年、山鉾の巡行順番をくじ引きで決めますが、長刀鉾はくじ引きによらず、必ず一番目に巡行することになっています。
その理由は、麩屋町通に張られた注連縄を切る儀式があるからです。

注連縄を切るということは、結界を解き放つということで、そうすることで他の山鉾も神域に入れるわけです。
だから一番なんですね^^

また、全山鉾の中で唯一、生稚児(いきちご)が乗っています。

長刀鉾 お稚児さん

お稚児さんは8歳~10歳くらいの子から選ばれます。
江戸時代頃まではどの鉾もお稚児さんが乗っていましたが、今では長刀鉾以外は人形の稚児をご神体として乗せています。
ちなみに下は函谷鉾のお稚児さん。人形になっています。

山鉾巡行 函谷鉾

つまり、長刀鉾のお稚児さんは「生き神様」として乗っているわけです!
長刀鉾を見る場合はぜひ、鉾に乗っているお稚児さんを見ておくことをオススメします♪
そして下の動画は、長刀鉾の辻回し。

2017年の動画です。
(youtubeにあったので掲載させてもらいました^^)

こんな感じで、大きな鉾は方向を変えるだけでもかなり大変なんです!
それもそのはず、山鉾って近くで見るとこんなに大きいんですから^^;

月鉾

車輪だけで人よりも大きいですし、近くを通ると、ギシギシと大きな音でしなって走るんです^^;
そして、先頭に立って団扇を持っている人達が司令塔となって前に勧めたり、辻回しの号令をかけたりします。

月鉾

山の中でもちょっと面白いのが蟷螂山とうろうやま

蟷螂山

カマキリの山なのですが、このカマキリ、動くんです^^
下は蟷螂山の動画です。

今までの巡行ではこのカマキリ、よく壊れるそうです。
暑い中ずっと動きっぱなしで、回路が熱くなって壊れるのでしょうか?^^;
私が見た時は早い時間に見たからか、まだ元気に動いていました^^

ご神体チェック

山鉾にはたくさん種類がありますが、なぜその形なのか?それぞれに由来があります。

山にはご神体、鉾には稚児と天王が乗っていますが、その由来を知ると、山鉾巡行はとっても面白いものになりますよ♪
というわけでご神体をピックアップしてチェック♪

まずは占出山

占出山 神功皇后

ご神体は日本書紀や古事記にも出てくる神功皇后じんぐうこうごうです。
そられによると、神功皇后は夫の仲哀天皇の急死した後、住吉大社の住吉大神の神託で、妊娠したまま朝鮮半島に出兵、新羅の国を攻めたそうです。

その帰路で後の応神天皇を出産したことから、どんな困難な状況でも元気な子が産める、安産の神様として信仰されています。
上の写真は、神功皇后が釣りで吉兆を占っているところです。

皇后はその時、鮎を釣り上げて「珍しい魚だ!」と喜んだそうです。
だから占出山では宵山の時、「吉兆あゆ」を販売しているんですね^^

吉兆あゆは私達も買いましたが、美味しかったです♪
吉兆あゆのことは、宵山のレポートで書いています。

宵山の記事はこちら⇒2012年の祇園祭 宵山を見に行きました

次は太子山です。

太子山 ご神体

ご神体は、少年時代の聖徳太子。
手に斧を持っていますが、これは六角堂頂法寺の縁起が関係しています。

四天王寺を建立しようと良材を求めて山に入ったところ、老人に大杉の霊木を教えられ、それを伐ってこの地に六角の御堂を建てて、護持仏の如意輪観音を安置しました。
その時の霊木を切る様子ですね^^

祇園祭の"山"は、松の木を立てるのが一般的ですが、太子山だけはその由来から真杉を立てています。

次は木賊山

木賊山 ご神体

この山は、世阿弥の謡曲「木賊」に由来します。
ご神体は、信濃の国で子供をさらわれた翁で、"木賊翁"と呼ばれています。

"木賊"というのは翁の周りに生えている、棒ような植物で、翁がこれを寂しげに刈っている様子を表しています。
写真では山の金幣に隠れていて見えにくいですが右手にカマを持っていて、左手に刈った木賊を持っています。

子供がさらわれたという話の内容から、この山では「迷子除けの御守り」も販売しています。
腕白でよく迷子になる子をおもちの方は行かれてみてはいかがでしょう?^^

次は保昌山

保昌山 ご神体

鎧を着ているご神体は、源頼光につかえた武士、平井保昌。
見た目は男らしい山ですが、実は縁結びのご利益がある山なんです^^

和泉式部に恋した平井保昌は、式部の願いで梅を手折って欲しいと言われ、紫宸殿の梅を手折ろうとします。
警護の武士に弓を射かけられましたが、なんとか一枝持ち帰ります。
ご神体の姿はその時の様子です^^

平井保昌はそれができたおかげで式部を射止め、後に妻として迎えることができたんですね^^


山鉾巡行の日は真夏日となるくらい暑い日なので、観るのは大変です><
参加されている方は何度も水を頭からかぶりに来ていました^^

今回の山鉾巡行の時も気温は35℃越えで、体感温度は40℃くらいはあったと思います><
今後見学される方は、熱中症対策は十分行った上で見学した方が良いですね。

ただし日傘に関しては、見学中、後ろの人が見えなくなって迷惑になるので、警察から傘をたたむ様にお願いされます。
巡行中は日傘は使えないものと思っておいた方が良いです。

なので、祇園祭を見学しようと思っている方は、帽子や飲み物、タオルなどは必ず持つようにしましょう。