熊野信仰の総本宮、熊野本宮大社

熊野本宮大社

熊野本宮大社は、新宮(熊野速玉大社)や熊野那智大社と共に、熊野三山の一角となっています。

熊野という場所は、都から遠い上に山が深く、詣でるのにも大変な場所だったのですが、それでも天皇から庶民までこの地を目指し、参拝に行くことを「熊野詣」と称されるほど信仰されていました。

元々は本宮、新宮、那智、それぞれ個別の自然崇拝から始まったのですが、それが仏教や修験道と融合して、さらに霊験あらたかな地へと高まっていったわけですね。

そして、天皇や上皇、法皇、女院が外出することを「御幸」というのですが、平安時代には歴代の上皇、法皇などが何度も参拝していて、907年の宇多法皇の御幸から1281年の亀山上皇の御幸まで合わせて100回以上もの熊野御幸があったのだそうです。

そこまでして足を運ぶ理由の一つは、熊野が再生・蘇りの地とされていたから。

天皇も庶民も、自らの再生を願ってこの場所を目指していたんです。

境内散策

熊野本宮大社を訪れる前に心配していたのが、駐車場のこと。
速玉大社の方が、有名な神社の割に駐車場が狭かったんですよね^^;

ネットで検索しても詳しい情報が出てこなかったのですが、実際に行ってみると、第一鳥居からすぐ近くの河原が駐車場になっていました^^

熊野本宮大社 駐車場

鳥居横にも駐車場があるらしいのですが、この日はなぜかそこは入れず、ここに止めました。
これだけあれば心配ありませんね^^
もちろん無料です。

そしてこちらが第一鳥居。

熊野本宮大社 第一鳥居

鳥居には「熊野大権現」の額束が掛けられ、参道には旗がずらっと参拝者を導くように階段の上まで続いています。

この旗は、全国から訪れた参拝者が奉納していったもの。
それだけ熊野は影響力が大きい神社なんです。
ここに立っているだけでも何やらピリッとした空気が漂ってきます。

鳥居の横にはこんな看板が立っていました。

熊野本宮大社 看板

鳥居を境に、神域と俗界にわかれていることや、参道は真ん中を通らないこと、神様にお会いする前に手水舎で手と口を洗い清めることなどが書かれています。

これは熊野に限らず、神社の基本的な参拝方法なのですが、ここであらためて「きちんとやりなさい」というメッセージが込められていますね^^

そして見逃してはならないのが、参拝の順序です。

本宮大社の本殿は第四殿まであるのですが、参拝の順序が決まっています。
この順です。

第三殿 ⇒ 第一殿 ⇒ 第二殿 ⇒ 第四殿

何のいわれがあるのかはわかりません^^;
この参拝順序を知らないと、左側の第一殿から順に参拝しそうになりますね。

そのことを頭に入れて本殿へ向かいます。

参道から本殿前まで続く階段は158段。
この階段を登りながら心を静め、お願いことを整えていきます。

熊野本宮大社 参道

那智大社と比べたらそんなにきつい階段ではありませんが、足が悪いとちょっときついかもしれませんね^^;
でも一応、奥の方に本殿まで車で行ける道があるそうです。

参道の途中には、祓戸大神が祀られています。

熊野本宮大社 祓戸大神

この神様は今までに溜まった罪・穢れをお祓いしてくれる神様なので、本殿にお参りする前に先にお参りします。
本殿の神様に会う前にキレイにしておこうということですね^^

階段を登りきったところにあるのは宝物殿。

熊野本宮大社 宝物殿

さらに進むと、社務所がある本殿前に出ます。
下の写真は神門。

熊野本宮大社 神門

この奥にはご本殿があるのですが、ここから先は写真撮影禁止。
熊野造りの本殿も撮りたかったのですが、残念です^^;
それだけ厳格に信仰を守っているんですね。

神門には注連縄のほかに飾り藁が掲げられています。

熊野本宮大社 ヤタガラス

これは熊野のシンボル、八咫烏(やたがらす)を表しているんでしょうね。

ヤタガラスは足が三本ある特殊なカラスで、神の使いとされています。
「古事記」では熊野の地にたどりついた神武天皇を案内したとされているんです。

本宮大社にもいたるところにヤタガラスのマークがあります。

熊野本宮大社 ヤタガラス

熊野本宮大社 ヤタガラス

熊野本宮大社 ヤタガラス

ヤタガラスポストもありました!

熊野本宮大社 ヤタガラスポスト

このポストは、単にハガキを出すのではなく、「ポスト絵馬」というハガキのついた絵馬をつけて送るのだそうです。

熊野本宮大社は全体的に新宮や那智と比べてより厳粛な感じがしますが、こういう遊び心もあった方がよいですね。

熊野本宮大社の神様について

本宮大社の主祭神は家津美御子大神(けつみこのおおかみ)です。
第三殿の誠誠殿に祀られています。
一般的にはスサノオと呼ばれている神様ですが、ここでは家津美御子大神と呼ばれています。

だから、第三殿から先に参拝して、後は順番に参拝するのかもしれませんね。

その他にも十二柱(神様の数え方は”柱”で数えます)の神様が祀られていて、合わせて熊野権現とよびます。

社殿 祭神 本地仏
上四社 第一殿(西御前) 熊野牟須美大神(くまのむすびおおかみ)事解之男神(ことさかのおおおかみ) 千手観音
第二殿(中御前) 速玉之男神(はやたまのおおおかみ) 薬師如来
第三殿(證証殿) 家都美御子大神(けつみこのおおおかみ) 阿弥陀如来
第四殿(若宮) 天照大神(あまてらすおおおかみ) 十一面観音
中四社 第五殿(禅児宮) 忍穂耳命(おしほみみのみこと) 地蔵菩薩
第六殿(聖宮) 瓊々杵尊(ににぎのみこと) 龍樹菩薩
第七殿(児宮) 彦火火出見尊(ほほでみのみこと) 如意輪観音
第八殿(子守宮) 鵜葺草葺不合命(うかやぶきあえずのみこと) 聖観音
下四社 第九殿(一万十万) 軻遇突智命(かぐつちのみこと) 文殊菩薩・普賢菩薩
第十殿(米持金剛) 埴山姫命(はにやすびめのみこと) 毘沙門天
第十一殿(飛行夜叉) 弥都波能売命(みずはのめのみこと) 不動明王
第十二殿(勧請十五所) 稚産霊命(わくむすびのみこと) 釈迦如来

上のように、十二柱の神様なので熊野十二所権現と呼ばれることもあれば、上、中、下社と分かれているので、熊野三所権現と呼ばれることもあります。

「権現」という名前は「本地垂迹思想」から出てきた呼び方です。

本地垂迹というのは、神と仏を同体と見て一緒に祀る「神仏習合」という信仰の状態を理論的に説明するための考え方。
仏が衆生を救う手段の1つとして神の姿として現れたとするもので、「権」は「仮に」という意味があるので、「仮に現れた」ということから「権現」と呼びます。

そしてそれに対して、本来の姿である仏は「本地仏」と呼びます。
熊野は修験道の影響もあって神仏習合が盛んだったので、そのような信仰の形態が残っているんですね。

先ほど紹介した参拝の順序でもわかるように、熊野三所権現のうち上四社を特に重んじていて、第三殿が本宮の主祭神である家都美御子大神(スサノオ)、第一、第二殿は那智と新宮の主祭神、熊野牟須美大神(イザナミ)との速玉之男神(イザナギ)、第四殿は伊勢神宮の神様、天照大神となっています。

家都美御子大神の本地仏は、来世を司る阿弥陀如来。
熊野牟須美大神の本地仏は、現世を司る千手観音。
速玉之男神の本地仏は、前世を司る薬師如来となっています。

そういうこともあって、熊野の神様は前世から来世まで見守ってくれるありがたい神様なんです^^
熊野にいったらぜひ、心を込めてお祈りしておきましょう♪

大斎原でパワーを感じてみよう

熊野本宮大社 大斎原

本宮大社から出て5分くらいのところに、大斎原(おおゆのはら)という場所があります。

大斎原は、実際には何もない(二基の石祠があるのみ)ところなのですが、明治の頃まではここが本宮の神様を祀っている場所だったんです。
言わば、ここが本当のパワースポットです♪

下の写真の鳥居が、大斎原の入口。

大斎原 鳥居

この大鳥居から中は、写真撮影禁止になっています。
何もなくてもとりわけ神聖な場所ですからね^^

大斎原は昔、3つの川(熊野川・音無川・岩田川)の合流地点で中洲になっていた場所でした。
現在は陸続きですが、昔は橋もかかっておらず、天皇であっても川に浸かりながら渡って参拝していたのだとか。

この、「川に浸かる」というのが(みそぎ)になって、今まで知らずに犯してきた罪穢れさえもここで流し、新しく生まれ変わったところで参拝していたわけです。
そういうところから「再生・蘇りの地」とされるようになったのかもしれません。

そして大斎原には元々社殿のほか、神楽殿や能舞台があったそうです。
現在、本宮大社の境内はそれほど広くありませんし、30分もあればゆっくり回れるくらいですが、大斎原は現在の8倍ほどの規模はありました。

それが明治22年、大雨による水害で大部分が流されてしまったんです。
原因は、熊野川上流での森林伐採と考えられています。

人災でこうなってしまったのは悲しいことですね^^;
なので基本的に何もないところですが、熊野大神のパワーはまだここにあるということだそうです。
というわけで、本宮に参拝する際はこちらも忘れずに行ってみて、何か感じてみて下さい^^

ちなみに、本宮大社から大斎原に向かう途中、産田社(うぶたしゃ)という本宮大社の末社があります。

大斎原 産田社

この社は、名前を見てわかると思いますが、子授け・安産のご利益があります♪

ここで祀られているのは、八百万の神々をはじめ、日本の国土なども産みだした伊弉冉尊(いざなみのみこと)荒御魂(あらみたま)

本宮大社本殿の第一殿の神様である熊野牟須美大神もイザナミですが、こちらはイザナミの荒御魂。

荒御魂は荒々しいパワーの源で、その神のパワーがものすごく発揮される魂なので、特に願いが叶いやすいんです。
なので、子授け・安産を願う方は、こちらも忘れずお参り下さい^^

本宮大社の社務所では、イザナミの荒御魂のお力を受けられる「産守り」(うぶまも)というお守りもあります。

御朱印

熊野本宮大社の御朱印です。

熊野本宮大社 御朱印

オリジナル御朱印帳も販売されていました。

熊野本宮大社 御朱印帳

写真では反射してしまったのでわかりにくいですが、黒でかっこいい御朱印帳でした^^
値段は1,500円です。
熊野三山の御朱印帳はどれも良かったのですが、本宮のものが一番カッコイイなあと思いました。

そして、熊野に参拝したらぜひ頂きたいのがこの、牛王宝印(ごおうほういん)

熊野本宮大社 牛王宝印

熊野三山独特の護符です。
ヤタガラスがシンボルなだけあって、カラスを使った文字で書かれています。
新宮や那智にも牛王宝印はありますが、それぞれ書かれているものが違うので、全部欲しいところですね^^

ただ、それぞれ大きさが統一されていません^^;
B5よりちょっと大きめのものからA3ほどのものまであります><

新宮と那智では1枚500円で販売されていましたが、本宮では大きさ別に500円と700円のものがありました。
私は500円のものを購入。
B5ほどのサイズでした。

三山とも購入したのですが、幸いにも大きいものも余白部分が大きかったので、それを折って、なんとか揃えて飾れるようにできました^^

熊野 牛王宝印

私はこんな風に自作ですが、額縁を購入して飾るのでも良いと思います。


熊野本宮大社の近くには、3ヵ所も温泉街があります。

その中でも、湯の峰温泉の「つぼ湯」は世界遺産としては唯一の入浴できる温泉になっています。
なかなか薬効が高い温泉なので、合わせて行ってみるのも良いですね^^

和歌山 神々トリップ

熊野本宮大社のアクセス情報

正式名称 熊野本宮大社
TEL 0735-42-0009
住所 和歌山県田辺市本宮町本宮1110
開門時間 9:00から17:00まで(宝物殿は9:00から16:00まで)
定休日 宝物殿は不定休
電車・バス
  • 【京阪方面より】 京都・新大阪・天王寺(特急くろしお号)紀伊田辺駅下車 龍神バスにて
  • 【京阪方面より】 京都・新大阪・天王寺(特急くろしお号)白浜駅下車 明光バス熊野古道特急バスにて
  • 【京阪方面より】 京都・新大阪・天王寺(特急くろしお号)新宮駅下車 熊野交通バス・奈良交通バスにて
  • 【京阪方面より】 明光バス 梅田・難波OCATより田辺駅へ 龍神バス乗り換え本宮へ
  • 【名古屋方面より】 JR名古屋(特急南紀)で新宮駅下車・熊野交通バス/奈良交通バスにて
  • 【東京方面より】 池袋(三重交通夜行バス)から新宮駅まで、 新宮からは熊野交通バス・奈良交通バスにて
  • 【南紀白浜空港より】 白浜空港から明光バス(熊野古道特急バス)にて
  • 【京阪方面より】 吹田IC→海南・湯浅道路→南部IC経由、国道42号を南下 田辺市・上富田町朝来より国道311号にて本宮へ
  • 【名古屋方面より】 東名阪・伊勢自動車道にて勢和多気IC・R42号新宮・R168号にて
駐車場 無料
拝観料 境内無料(宝物殿:300円)
特別公開・注目の祭・イベント等 1月1日:開寅祭
1月7日:八咫烏神事
4月13日:湯登神事
4月14日:産田社例祭
4月15日:本殿祭
4月15日:渡御祭
8月15日:精霊萬燈祭
公式サイト http://www.hongutaisha.jp/

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