尾山釈迦堂

滋賀県長浜市高月町の「尾山」という集落に「尾山釈迦堂」というお堂があります。
正式には「安楽寺釈迦堂」。
国道365号線から東、己高山の麓にある石道寺に向かう途中にあって、白山神社の境内にあります。

白山神社の中にあるのは、神仏習合の影響ですね^^
白山神社は安楽寺の鎮守、安楽寺は白山神社の神宮寺だったのでしょう。

高月町は「観音の里」として有名ですが、ここは観音ではなく、安心感を覚えるような立派な釈迦如来と大日如来がいらっしゃいます。
湖北には観音以外にも立派な仏像があるんです^^

でも、普段は閉じられているので、拝観するには世話役の方に事前予約する必要がありますが、2013年から「観音の里たかつきふるさとまつり」に参加することになったらしく、その日はご本尊が終日解放、さらには巡回バス(有料)も入口前に停まるので、その日に拝観してきました。

入口には白山神社の石碑と鳥居が見えて、奥に続く参道しか見えないので、ここにお寺があるということは一見わかりません。

尾山釈迦堂

境内に入ると、森の中にいるような新鮮な空気が漂います。
境内には石垣が立派な鐘つき堂もあります。

尾山釈迦堂 鐘つき堂

そしてこちらがお堂(収蔵庫)に安置されている大日如来と釈迦如来。

尾山釈迦堂 大日如来 釈迦如来

小さなお堂の中に半丈六(立像にすると約2.4m)の大きさの仏像が2体。
いずれも重要文化財の指定を受けています。
半丈六といっても坐像なので、像高はどちらも156cmなのですが、間近まで寄れるので、大きくどっしりとして見えます。

右側は平安時代初期の作と考えられている釈迦如来。

頭部が大きいので重量感を感じます。
そして、両腕と両膝は後世になって補修したものなのだそうで、当初から釈迦如来だったのかはわかっていないそうです。

左側は平安期の作と考えられている大日如来。
安楽寺には大日堂があったことが伝わっているので、この大日如来が本尊だったのかもしれません。

安楽寺は己高山一帯で栄えた山岳仏教と関係が深い寺だったようで、この付近一帯には諸堂が立ち並んでいたそうです。
お堂の北側は山なのですが、そこは古くは「堂の谷」と呼ばれていて、その奥地には「墓の谷」と呼ばれる丘陵地になっています。
そこには、かつて諸堂が立ち並んでいた名残が残っているそうです。

そういう中に大日堂があったのですが、己高山の寺坊が衰退して諸堂も腐朽してきたので、仏像は一堂に移されました。

なので大日堂に大日如来と釈迦如来が安置されている状態になったのですが、いつの間にか釈迦堂と呼ばれるようになって、現在に至るそうです。

御朱印

尾山釈迦堂の御朱印です。

尾山釈迦堂 御朱印

「観音の里たかつきふるさとまつり」の日は、集落の方がお堂の前で案内や御朱印対応のために待機していらっしゃいますので、そこで御朱印を頂きました。

本尊が2つあるような感じなのでどうなるのかと思ったのですが、お堂の名前になっている「釈迦如来」となっています^^

御朱印はスタンプで、値段は200円でした。


尾山釈迦堂は、訪れる時は事前連絡が必要です。
集落で管理していて常に人がいるわけではないので、世話方さんに開けてもらう必要があります。

また、木之本駅からも高月駅からもちょっと離れていて、駐車場もないのでちょっと不便です。

でも、8月の第一日曜日に行われるふるさとまつりの時は巡回バスが停まってくれますし、その日は拝観料も無料になりますので、その日に訪れるのが一番便利かもしれません。
普段の日に訪れるなら、高月駅でレンタサイクルするのが良いかもしれませんね。