北野天満宮

2月3日、節分の日に北野天満宮に行きました。

節分の京都はあちこちで行事が行われて盛り上がるのですが、中でも有名所の一つが北野天満宮です。
節分の四方参りの一つに数えられていますね。

ここでは、13時から江戸時代から続く狂言の名門「茂山千五郎社中」による北野追儺(ついな)狂言、そして地元の上七軒の芸妓・舞妓さんによる日本舞踊が行われます。
そして最後の豆まきでは、茂山千五郎家や芸妓・舞妓さんがまいてくれます。

このようなプロの舞台が無料で見られるのも京都ならではですね^^

四方参りとは?

京都の節分には、四方参り(よもまいり)というお参りの仕方があります。

北東、南東、南西、北西にある四つの神社仏閣をお参りするのです。
その四つとは、京都御所を基準にして、

  • 北東:吉田神社
  • 南東:八坂神社(又は伏見稲荷大社)
  • 南西:壬生寺
  • 北西:北野天満宮

となっています。

四つの方向は「鬼門」と呼ばれるところですが、ここは陰陽道によると陰と陽の境目にあり、気が不安定なのだそうです。
鬼(邪気)はこういう不安定なところから入ってきますので、ここを清め祓うことは昔から大切な行事だったわけです。

そして節分も季節の境目。
陰陽道に当てはめると、これもまた不安定な日なので、邪気が生じるのです。

そういうこともあって、この四つの方向で邪気を祓おう、というのが四方参りです。
四方参りをすれば、より一層の福を招くのだそうですよ^^

鬼はまず、鬼門の中でも一番邪気が強い「表鬼門」(北東)、つまり吉田神社に先にやってきます。
ここで祓われた鬼は八坂神社に追われ、さらに壬生寺に追われ、最後に北野天満宮にたどり着きます。

そしてついにここで封じ込められるのです。

北野天満宮の追儺式で鬼を退治するのは、主祭神である天神さん(菅原道真公)ではなく、境内の摂社に祀られている福部社の神。

北野天満宮 福部社

今回の主人公である福部社の神は生前、十川能福(そごうののうふく)という名前でした。
道真公の牛舎を引いていた世話役だったんですね。

道真公の関係者、ということで祀られているのでしょう。

しかし、その福々しい名前からいつしか金運と開運招福をつかさどる「福の神」として崇敬を集めるようになったのです!

鬼を退治して福を招くという節分にピッタリな神様なんですね^^

福部社は御本殿へ続く三光門の前にあります。
6つ摂社があるのですが、そのうちの一社です。

茂山千五郎社中による北野追儺狂言

北野追儺狂言

神楽殿で行われる北野追儺狂言は午後1時から約20分間。
その後に芸舞妓さんの踊りと豆まきが行われて14時頃に終了します。

私は参拝や散策をするために早めに到着したのですが、11時半ごろには既に最前列は場所取りされている状態でした。

北野天満宮神楽殿

既に真ん中は見えやすい位置は埋まっていますね^^;
というわけで、私もベストポジションではないもののなるべく前の方に陣取りました。

そして始まった追儺狂言。
最初に登場するのは、茶筅(ちゃせん)売りたちです。

北野追儺狂言 茶筅売り

北野追儺狂言 茶筅売り

肩には梅の枝をかけています。

北野追儺狂言 茶筅売り

どうやら福部社に参拝にきたようです。

北野追儺狂言 茶筅売り

そして、腰につけた「ふくべ」(かんぴょうのこと)を叩きながら陽気に(うたい)が始まります。

北野追儺狂言 茶筅売り

北野追儺狂言 茶筅売り

そんなところに深泥池から鬼が登場。

北野追儺狂言 鬼

我が物顔でその場を乗っ取り、踊りまくるのです。

しかしそこへ福部の神が登場!
鬼を諭します。

北野追儺狂言 福部神
(柱が太すぎてほとんど見えませんでした^^;)

そして弱った鬼に、茶筅売り達が豆を投げ付け、退散させます。

北野追儺狂言 鬼退治

北野追儺狂言 鬼退治

これでおしまい^^

今回は見学の場所を、なるべく前の方で確保しましたが、中央より1間ほどずれていたために太い神楽殿の柱が思ったより邪魔でした^^;
柱のところまで前に寄って来てくれたら見えるだろうと思ったのですが、鬼や福部神はあまり前まで寄ってきてくれません。

なので、場所を取る場合は、真ん中の奥、屏風からちょっと手前あたりが見える位置を確保した方が良いですね。

そして場所取りの時間は、最前列を取る人たちは早くから来ているみたいですが、それ以外はそんなに人は増えません。
でも、12時頃になると少しずつ増えてきますので、良い場所を取りたいなら1時間前には来ておいた方がよいでしょうね。

上七軒歌舞会による日本舞踊

続いては、地元の花街である上七軒から、芸舞妓さんが登場します。
最初は舞妓さん3人による舞踊。

北野天満宮 舞妓さん

北野天満宮 舞妓さん

北野天満宮 舞妓さん

そしてお次は2人の芸妓さん。

北野天満宮 芸妓さん

北野天満宮 芸妓さん

さすがベテランの風格^^

そして最後は5人で。

北野天満宮 芸舞妓さん

北野天満宮 芸舞妓さん

北野天満宮 芸舞妓さん

北野天満宮 芸舞妓さん

静かでやわらかさを感じるような美しい舞でした^^

豆まき

日本舞踊が終わったら、次はいよいよ豆まきです。

再び福の神が登場。

北野天満宮 豆まき 福部神

芸舞妓さんも再び登場。

北野天満宮 豆まき 芸舞妓

そして豆まきが始まりました!

北野天満宮 豆まき

北野天満宮 豆まき

福部神は、福の神らしく、何枚かまとめて大量にばらまきます。

北野天満宮 豆まき

舞妓さんは可愛らしく一枚ずつ。

北野天満宮 豆まき 舞妓さん

しかしその一投は、優しそうにみえても手裏剣のように鋭く飛んできます。
でも私はこの舞妓さんからたくさん頂きました^^

北野天満宮でまかれる福豆のパッケージは3種類。
鬼と福部神と舞妓さんの3種類です。
中には当たりが入っているものもあるようです。

北野天満宮 福豆

最初は、3種類もらえるかな~?と思っていたのですが、北野天満宮は結構たくさんまいてくれるので、そんなに頑張らなくても10個くらいはもらえました^^
もちろん3種類は軽々とコンプリート♪

しかも、1袋に結構入っていて、食べやすくて美味しいんです。
北野天満宮の豆まきはなかなか良いですね^^

そして、もし豆まきでうまくゲットできなくても、授与所で3種類のセットを購入することができます(200円)。
豆まきのような荒々しい場が苦手な方も安心ですね^^

北野天満宮 授与所

そして、節分限定の授与品も販売されています。

北野天満宮 授与品

災難除札(350円)や災難除守(350円)のほか、狂言で茶筅売り達が持っていた招福の梅の枝「思いのまま」(1,000円)や、災難除の御幣「銀幣」(900円)がありました。

「思いのまま」のひょうたんの中には厄除け玄米が入っています。

北野天満宮 思いのまま

でも、こんな感じでちょっと長いので、購入したい方はそれなりの大きめの袋を持ってくるか、茶筅売りのように肩にかけて持ち歩く必要がありますね^^

個人的には、肩にかけて持ち歩いた方が、天神さんをお参りした気分にひたれるような気がします^^


今年は暖冬の影響で梅苑が例年より早い1月23日に公開されていて、境内の梅の花も大分咲いてきていました。

北野天満宮 梅

北野天満宮 梅

無料のところでもこの咲きっぷり。
梅苑は600円から700円に値上げされていましたし、私も他の節分行事に参加する予定だったので今回は入りませんでしたが、とてもきれいに咲いているでしょうね^^