正倉院展

奈良国立博物館で行われている「正倉院展」に行きました。

戦後から始まって毎年秋に行われる正倉院展はは2014年で66回目になります。

正倉院に伝わる宝物は約9000件もあるのですが、そのうち1回の展覧会で60~70件ほど公開されます。
それだけ宝物があるわけですから、1度登場したものは10年くらいは見れないと言われています。

今回は59件の宝物が出陳、そのうち初出陳は6件。
生きている間に全部見ることはとてもできなそうですね^^;

今回私は平日の水曜日、開館時間くらいに行ったのですが、既に人がたくさん並んでいました。

正倉院展 行列

休日は混雑を予想していましたが、平日まで並んでいるとは思いませんでした^^;
とは言っても、20分待ち。
意外とすぐに入れました。

レベルの高い名品が勢揃い!

正倉院展は毎年人気なだけあって、1つ1つレベルが高かったです。
技術の高さもさることながら、色彩がきれいに残るほど保存状態良好なものも多く、修復しているにせよよくぞ今まで残せたものだと感心してしまいます。

館内は多少混んでいましたが、どの位置から見ていても説明文が読めるようにケースの側面、外側、内側にも貼るなど、極力ストレスを感じさせない工夫がされていました。

いくつか見どころの宝物を、リーフレットの写真をお借りして紹介します。

今年の注目は、鳥毛立女屏風(とりげりつじょのびょうぶ)

第66回 正倉院展

今までの正倉院展でも何度かポスターに使われていて、今年も使われています。

鳥毛立女屏風は唐装をした女性の絵で、ふくよかな容姿。
現代では美人とは言えないかもしれません^^;
でも、描かれた時代では美人とされていたんですね。

絵はかつて、頭髪・着衣・樹木などにヤマドリの羽毛が貼られていたのだそうです。
今ではその羽毛は残っておらず、白描図のようになっているのはそのためでしょう。
肌の色と口紅だけが当初の様相をとどめています。

描かれた当時の唐では、このような華麗な装いが流行していたのだそうです。
日本の宮廷でも着ていたのでしょうか?
どこか知性を感じる魅力があります。

鳥毛立女屏風は全6扇あります。
今回の正倉院展では、第2・4・5・6扇が出陳していて、第1・3扇は、東京で行われている「日本国宝展」に出ています。
全部見れなかったのは残念ですね^^;

お次は衲御礼履(のうのごらいり)

衲御礼履
※画像:第66回正倉院展のリーフレットより

なんともかわいらしくおしゃれな靴ですが、これは752年、大仏開眼会の時に聖武天皇が履いていたとされる靴です。
表面は牛革、内面は鹿革のレザーシューズとなっています^^
今日本はカワイイ文化を世界に発信していますが、その感性は天平時代に既に持ち合わせていたのでしょうね。

トランプのジョーカーやピエロが履きそうな、つま先が反り上がった形もおしゃれですが、星型の金具に真珠やガラス玉を配した飾りも良いポイントになっています。

そしてびっくりするのはそのサイズ。
写真で見るとそんなに大きく見えないのですが、実物は31.5cmと、結構大きいんです。
聖武天皇がそんなに大きな方だったとは思えませんので、ゆったりと履く儀式使用だったと思われます。

この靴を入れるためにわざわざ靴をはめるための型を設けた専用の大箱もあったので、よほど重視されていたのでしょう。

カワイイと言えば、こちらの宝物人勝残欠雑張(じんしょうざんけつざっちょう)も。

人勝残欠雑張
※画像:第66回正倉院展のリーフレットより

これは中国で、無病息災や子孫繁栄を願う正月行事に用いられた飾り物です。
おめでたい言葉やかわいらしい子供の姿が描かれています。

唐ではこういうものを屏風に貼ったり、贈物にしたりすることが流行していたあいさつ状です。
これが日本の年賀状の起源になっているとも言われているのですが、所々に金箔を使っていたり、凝った文様、鮮やかな色彩などが残っていて、1枚作るのにどれだけ時間かかったのでしょう?
あいさつ状ですから、こういうものを何枚も作るとなると大変ですね^^;

伎楽面も秀逸でした。
下は伎楽に登場する崑崙(こんろん)という役の人が使う面で、呉女に言い寄り力士に懲らしめられるという役柄なのだそうです。

伎楽面 崑崙
※画像:第66回正倉院展のリーフレットより

大仏開眼会の日付が書かれているので、その時に使われたのでしょう。

キリ材を彫刻した面はリアル感ある悪役ですが、見る角度によってはどこか憎めない感じもします。
当時の人はこの面の出来にさぞ驚いたでしょうね^^
見るからに重そうなのですが、これをかぶって舞うのも大変そうです。

伎楽面は他にもあって、写真はありませんが鼻の先が垂れた酔胡従(すいこじゅう)という面も素晴らしかったです。

校倉造の正倉も公開

「正倉院」というのはそもそも何なのか?というと、東大寺大仏殿の北西にある校倉造(あぜくらづくり)の倉庫「正倉」が幾棟も集まっている一廓のことです。
かつてはいくつもあった正倉ですが、いつしか一棟だけが往時のまま今日まで残っています。
これが現在「正倉院宝庫」と呼ばれています。

その中に納められていた宝物が「正倉院展」で見ることができるのですが、その校倉造の倉庫、無料で見ることができます!
それがこちら。

正倉院

入口から倉までが近く、見学する人が多いのでなかなか良い写真は撮れませんでしたが、この高床式の倉庫、見たことある人も多いと思います^^
でも、実物をみると木材一本一本が大きく、重厚な構えになっていました。

宝物はこの中で唐櫃(からびつ)に納められていたのですが、校倉造の倉庫と唐櫃が湿度の高低差を緩和してくれるので宝物の保存状態が良好だったのです。

正倉の公開は通常、月曜日から金曜日まで(休日等を除く)の毎日,午前10時から午後3時までとなっています。
土曜日・日曜日・国民の祝日・休日や年末年始は公開していません。
大仏殿の裏手をもう少しまっすぐ行くとありますので、平日に行けるチャンスがあれば見に行ってみると良いですね^^

ただし、正倉院展開催中は毎日午前10時から午後4時まで公開しているそうです。
休日しか来れない方は、この時がチャンスですね。


奈良国立博物館の向かいには、「夢風ひろば」という飲食店が集まった広場があります。
一見、表玄関が普通のお店っぽくて、そういう広場になっているということがわかりにくいのですが、奥には車が多数とめられる駐車場があって、そのまわりに飲食店がいくつか並びます。

また、館外で出店もありました。

正倉院展 出店

こちらでは、奈良では有名な植村牧場のほか、正倉院展限定の薬膳弁当などが販売されていました。
この期間は観覧後のランチもバッチリですね^^

また、「正倉院展は見たいけど並びたくない」という方は、オータムレイトチケットというものも販売されています。
オータムレイトチケットは、閉館の1時間30分前より入場できる当日券で、当日券売場で閉館の2時間30分前から販売します。
値段は一般で800円。

しかも、第66回正倉院展でのオータムレイトチケットを購入すると、記念品として昭和28年開催の「第7回正倉院展」ポスター図案のしおりが貰えるというおまけつきです。
1時間半という制約がありますが、こちらの方が比較的空いていますので、お得かもしれませんね^^