湯の峰温泉

熊野本宮大社から車で10分ほどのところに、湯の峰温泉という温泉地区があります。
川湯温泉、渡瀬温泉と合わせて、本宮温泉郷と呼ばれている場所の一つです。

湯の峰温泉は開湯1800年。
日本最古の温泉とも言われていて、熊野詣をする者たちが熊野本宮大社に参詣する前に湯垢離(ゆごり)(身を清めること)をする場として栄えました。
今でも4月15日に行われる本宮大社例大祭では、その前々日に湯の峰温泉で湯登神事を行い、そこで湯垢離潔斎が行われます。

お店も少なく、そんなに広くない温泉地区ですが、日帰りでも楽しめる場所です。
静かなところですので、都会の喧騒から離れたい人にもおすすめです^^

日帰り入浴OK!世界遺産にも登録された湯の峰温泉の「つぼ湯」

湯の峰温泉の名物は世界遺産にも登録されたつぼ湯です。
日帰りでも利用できます。

湯の峰温泉 つぼ湯

川の中に小屋が建っていますが、この中にあるのがつぼ湯です。
1日に7回湯の色が変わるというお湯なのですが、このつぼ湯、中世の説経節で小栗判官(おぐりほうがん)回復伝説の地なんです。

伝説によると、小栗判官は死にかかったのに湯の峰温泉の薬効で回復したのだとか^^

つぼ湯に入るには、湯の峰温泉公衆浴場で受付をします。
システムはこのようになっています。

  • 営業時間:午前6時~午後9時30分
  • 定休日:なし
  • 料金:大人780円、12歳未満470円

つぼ湯は一つだけで、30分の貸し切り制となっています。
男女混浴です。
ただし、中は狭いので2~3人しか入れません。

石鹸類の使用は禁止です。
つぼ湯利用者は、湯の峰温泉公衆浴場の「一般湯」または「くすり湯」にも一回入浴できます。

30分貸し切りということで、休日には並ぶ場合があるそうです。
時間に余裕を持ってきた方がよいですね。

温泉の泉質と効能は、

  • 泉質:炭酸水素塩泉
  • 効能:神経痛、糖尿病、皮膚病、リュウマチ、胃腸病 その他

となっています。

湯の峰温泉の湯筒で温泉卵造りをしてみる

湯の峰温泉 湯筒

つぼ湯のすぐ近くに湯筒があります。
木の柵で覆われていて、そこから90度の熱湯が湧き出ている場所です。
誰でも無料で使えて、自分で温泉卵作りができるので有名です。

湯の峰温泉の旅館「あずまや」さんの隣にあるお店でネットに入った生卵が売られていますので、手ぶらで来ても大丈夫です。

湯の峰温泉 売店

販売されている生卵はネットに入れられていて、ネットの先には、湯筒の柵に結べるように紐までつけられています。

湯の峰温泉 売店

値段はちょっとだけ高めですが、これだけ用意されているとあとは湯筒に入れて柵に結ぶだけなので楽です。

しかも、茹でてその場で食べられるように、網と殻入れの紙、塩までセットで用意してくれています。

お店の案内板によると、半熟なら11分、かためで15分でOKとのこと。

温泉の成分が入っているからなのか、家で作るものとは違う、格別な味わいに感じました。
塩がなくてもいけますよ^^

湯の峰温泉 温泉卵

地元の人なのか慣れた人は、大根やさつまいもなど、野菜を茹でている人もいました。

湯の峰温泉 湯筒

野菜を入れるカゴやネット、そしてそれを手すりに結ぶ紐などを自前で用意すればOKのようです。
その場で食べるのなら、茹でる時の用意だけでなく、塩やマヨネーズ、箸や皿なども忘れずに^^

湯の峰温泉の湯元に建てられた東光寺

現在、湯の峰温泉が最初に噴出したとされる場所には東光寺があります。

湯の峰温泉 東光寺

本堂だけの小さなお寺ですが、ここの本尊の薬師如来は熊野七薬師の1つで湯胸薬師と呼ばれています。

湯胸薬師は、通常のお寺で見れるような仏師が彫った仏像ではありません。
伝承によると、このお薬師さんは湯口の湯の花が化石となってできたものだとか。

その高さは約3メートル。
ちょうど胸のあたりからお湯が出ていたので、湯胸薬師と呼ばれているんです。
「湯の峰温泉」の名前はここからきているそうです。

湯胸 ⇒ 湯の峰

ということですね^^

東光寺の御朱印も、「湯胸薬師」になっています。

東光寺 御朱印

そのような自然仏は珍しいのでぜひ拝観してみたいのですが、残念ながら秘仏扱いで、普段は見ることができません。
公開されるのは毎年1月8日、湯峰八日薬師祭の本尊薬師如来開扉法要の時だけです。

湯の峰温泉は昔からものすごく薬効があると伝えられてきましたが、それは薬師如来が出している温泉だったからなんですね^^
特に頭の病気には良いのだそうです。

湯胸茶屋で温泉コーヒーと薬師の餅をいただく

湯胸茶屋

お寺のすぐ隣には、湯胸茶屋というお茶屋さんがあります。
ここでは、そばやうどん、熊野名物のめはり寿司などの軽食、梅酢ジュースや温泉コーヒーなどのドリンク類、薬師の餅の甘味などがいただけます。

湯胸茶屋 メニュー

私は、温泉コーヒーと薬師の餅を頂きました。

湯の峰温泉 薬師の餅

温泉コーヒーは、ブラックとミルクがありますが、私はブラック派なので、ブラックを注文。
これが、水が違うとこんなに違うのかというくらい美味しい♪

薬師餅は、温泉で蒸しあげた杵つき餅。
朝8時ごろに作るのですが、私が訪れたのは遅かったので、持ち帰り用のものをなんとか買うことができました。

食べてみたのですが、ちょっと硬くて何か足りない^^;
餅はつきたてが美味しいものなので、しょうがないのかもしれません。
その場で食べるなら、できるだけつきたてを頂きたいですね。

食べた後に聞いたのですが、持ち帰り用は家でトースターで温めると美味しいのだとか。。
確かに、表面カリカリで美味しくなりそうです。

再訪してリベンジしたいですね^^

湯の峰温泉の温泉水は持ち帰ることができる

東光寺の横には、10リットル100円で温泉水を持ち帰ることができる、汲み取り場があります。

湯の峰温泉 汲みとり場

タンクは自分で持ってきても良いですし、お店で850円くらいで販売していました。
料理に使ったり、コーヒーを淹れたりすると美味しそうですね^^

卵やタンクを売っているお店は普通の個人商店で、月曜日は休みのようです。
現地で調達しようと考えている人はお気を付けくださいね。

湯の峰温泉へのアクセス

湯の峰温泉の近隣には駅がなく、小さな温泉街なので、バスの本数も少ないです。
なので基本的には車で行くのがおすすめです。

温泉宿で1日ゆっくりするならバスで行くのも良いのですが、他の観光地と合わせて行くには結構不便です。
一番近い、熊野本宮大社に行くにも、バスの本数は1日5本程度、徒歩だと1時間はかかります。

湯の峰温泉に行くなら、熊野三山にも数えられる熊野本宮大社はぜひ参拝したいところですね。
車なら10分で行けますよ。

なので、車を持っていない方も、運転免許を持っているならレンタカーを検討しても良いかと思います。
スカイチケットなどのレンタカー予約サイトでは、大手レンタカー会社を最安値で検索・そのままオンライン予約することができます。
和歌山まで電車で行ってから現地の店舗で借りることもできますよ。

公共交通機関で行く場合は、大阪・和歌山方面からは紀伊田辺駅、名古屋方面からは新宮駅、奈良方面からは近鉄大和八木駅からバスが出ています。

湯の峰温泉へ車でアクセス

大阪・和歌山方面から

大阪の中心地から湯の峰温泉までは約3時間ほど。
最寄りのICは、紀勢道「上富田」ICです。

  1. 阪和自動車道⇒紀勢自動車道と進み、上富田ICで降りて右折、42号線に入ります。
  2. 42号線を約5分、「岩崎」の交差点を左折し、311号線に入ります。
  3. 国道311号線を真っすぐ行くこと約55分、トンネルをくぐると湯の峰温泉の看板がありますので、看板通りに進めば到着します。

ただ、お盆など連休中は白浜方面で渋滞しやすいので、手前の有田ICで降りて下道で行く方が良いかもしれません。
それでも有田ICから2時間くらいはかかってしまいますけどね^^;

その場合は、

  1. 有田ICを降りて左折し、22号線に入ります。
  2. 22号線を約10分、徳田交差点を右折し、424号線に入ります。
  3. 424・425号線を真っすぐ行くこと約55分、柳瀬交差点を右折し、29号線に入ります。
  4. 29・128号線を約20分、鍛冶屋川口交差点を左折し、311号線に入ります。
  5. 311号線を進むこと約35分、トンネルをくぐると湯の峰温泉の看板がありますので、看板通りに進めば到着します。

名古屋方面から

名古屋方面から湯の峰温泉までは、約2時間半ほど。
最寄りのICは、熊野尾鷲道路の「熊野大迫」ICです。

  1. 東名阪自動車道⇒伊勢自動車道⇒紀勢自動車道⇒熊野尾鷲道路と進み、熊野大迫ICで降りて左折、42号線に入ります。
  2. 42・311号線を進むこと約5分、立石南交差点を右折します。
  3. 311号線を進むこと約40分、熊野川を渡った先のT字路を右折し、168号線に入ります。
  4. 168号線を進み、本宮のT字路を左折します。
  5. 湯の峰温泉の看板がありますので、看板通りに進めば到着します。

奈良方面から

奈良方面からは、168号線を南下して、五条市や十津川村を経由していきます。
五条市から湯の峰温泉までは、約2時間。
道は整備されていますが山道となります。

大雨や雪の場合は規制がかかることもありますのでお気をつけください。

湯の峰温泉の駐車場は、温泉街の南側にあります。
停められる台数も多めで、トイレもありますし、無料で利用できますよ。

湯の峰温泉へ電車でアクセス

湯の峰温泉まで公共交通機関で行く場合、近くに駅はありませんので、バスで行くことになります。

大阪・和歌山方面から

湯の峰温泉行きのバスが出ている最寄りの駅は、JRきのくに線の「紀伊田辺」駅です。
京都駅や新大阪駅、天王寺駅などからは特急「くろしお」で紀伊田辺駅まで行くことができます。

紀伊田辺駅からは、龍神バスの熊野本宮線「本宮大社・発心門王子方面行」に乗り、「湯の峰温泉」で下車します。

ただし、バスの本数が少ないので、行く前に時刻表を確認するのをおすすめします。

名古屋方面から

湯の峰温泉行きのバスが出ている最寄りの駅は、JR紀勢本線「新宮」駅です。
名古屋からは特急「ワイドビュー南紀」で新宮駅まで行くことができます。

新宮駅からは、熊野御坊南海バス、もしくは奈良交通バスに乗り、「湯の峰温泉」で下車します。

熊野御坊南海バスは、53番の川丈線に乗ります。
同じ川丈線で、本宮大社行のバス51番と53番がありますが、湯の峰温泉を経由するのは53番の方ですのでお気を付けください。

奈良交通バスは、302番の大和八木駅行に乗り、「湯の峰温泉」で下車します。

奈良方面から

奈良方面からは、日本一の走行距離を誇る奈良交通の路線バス「八木新宮バス」で来ることができます。
大和八木駅を出発して新宮駅まで向かうバスで、五条駅や十津川温泉、本宮大社前を経由して湯の峰温泉に到着します。

八木新宮バスはこちら

湯の峰温泉の旅館

湯の峰温泉の温泉街には、旅館や民宿、ゲストハウスなどがあります。
湯の峰温泉のつぼ湯は日帰りでも入浴可能ですが、この地域は静かな場所ですので、旅行先でゆっくりしたい人にもおすすめな場所です。

熊野本宮観光協会では、旅館が4つ、民宿が9つ、ゲストハウスが1つあるようです。

湯の峰温泉の宿泊施設はは、観光協会のサイトから宿泊予約できるほか、「あづまや」や「湯の峰荘」など一部の旅館や民宿は、JTBや、温泉宿中心のゆこゆこネットなどでも予約できます。