極楽浄土に行きたい人は一度は参拝しておきたいお寺、浄瑠璃寺

浄瑠璃寺

京都府木津川市にある真言律宗のお寺、小田原山 浄瑠璃寺。
本堂内に横一列に並んでいる9体の阿弥陀如来像が有名なお寺で、「九体寺」ともよばれています。

仏教の概念には、浄土じょうどという清浄で清涼な世界がありますが、このお寺は境内に浄土の世界観を表しています。
「浄土」は仏様がいらっしゃる世界。

有名なところで、

  • 東方浄瑠璃世界(東方浄土)・・・薬師如来がいらっしゃる東の浄土
  • 極楽浄土(西方浄土)・・・阿弥陀如来のいる西の浄土

があります。
もっとたくさんありますが、この二つが有名です。

それに対して人間の居る世界は穢土えどといって、煩悩にから抜けられない衆生が住む世界。

一般的に、人間は死ぬとまた穢土に生まれ、悩んで苦しんで死んでいき、また穢土に生まれ・・・という輪廻転生をしています。
そういう苦しみは嫌なので、来世にはそこをなんとか、浄土で生まれたいとみな願うわけです^^

そこで平安時代に、阿弥陀如来を信仰している人が亡くなると阿弥陀如来が迎えにきてもらい(来迎)、極楽浄土に連れていってくれる、という浄土思想が盛んになりました。

浄瑠璃寺では、その世界観を感じることができます。
そのためにはまず、浄瑠璃寺の参拝の順序を知っておくとよいと思います。
そんなに難しくありません。簡単です^^

東の薬師さんから西の阿弥陀さんへ

浄瑠璃寺の境内は下の図のようになっています。
図はパンフレットからお借りしました^^

浄瑠璃寺 境内図

先ほど説明したように、東に薬師如来のいる浄瑠璃世界、西に阿弥陀如来のいる極楽浄土があります。

そして私達が住んでいる此岸しがんがあって、向こう側に彼岸があります。
極楽は彼岸の彼方にありますから、まさに浄土の世界を描いた浄土式庭園ですね^^
北側にある山門が入口になっているのですが、参拝の順序は

  1. 東側の三重塔に行き、薬師如来に苦悩の救済を願う
  2. 三重の塔の前で振り返り、池越しにある本堂の阿弥陀仏に来迎を願う

これが本来の礼拝の順序とされています。

浄瑠璃寺は境内自由ですが、本堂内の拝観のみ拝観料(300円)が必要です。
その前にこの礼拝をやっておけば、きちんと礼拝を済ませた感があって安心ですね^^

というわけで、まずは山門から東側へ。

浄瑠璃寺 三重塔

国宝の三重塔が見えます。
そこには薬師如来さんがいらっしゃいます。

階段を登るのですが、登る前に見上げるとなかなかの迫力^^

浄瑠璃寺 三重塔

三重塔の扉は普段は閉められていて、中に祀られている薬師如来は秘仏とされているのですが、毎月8日は薬師如来の縁日につき三重塔の開扉日になっています。

私が参拝した日は10月8日。
行ってみると、開いていました^^

浄瑠璃寺 薬師如来

秘仏なので写真撮影は禁止。
斜めから扉が開いている様子だけ撮影しました。

なお、開扉日は、毎月8日、春分・秋分の日、正月3ヶ日(ただし好天に限る)となっています。

お薬師さんへの参拝を済ませたらそのまま振り返り、池越しの阿弥陀仏に祈願します。
振り返って、彼岸にある本堂を眺めた風景です。
あそこに極楽浄土があるのですね^^

浄瑠璃寺 彼岸

ではこの参拝方法の順序、理由はどういうところから来ているのでしょうか?

まず薬師如来は、現実の苦悩から救い、目標の西方浄土へ送り出す仏とされています。
つまり、”遺送仏”というわけです。
なので三重塔前では、

「薬師如来様、今の世界で苦しんでいるので、理想郷である西方浄土に行かせてください!」

とお願いをします。

そして境内の真ん中には宝池があって、その向こうのお彼岸の彼方に西方浄土がありますが、そこから迎えに来てくれる仏が阿弥陀如来です。
こちらは”来迎仏”になっていますので、

「では阿弥陀如来様、私が死ぬ時はお迎えよろしくお願いします♪」

と、挨拶しておきます。

参拝の順序にはそのような意味があるんです。

迎え方には9種類の等級がある!

「阿弥陀如来にお願いしたからこれでひと安心♪」

と考えるにはまだ早いです!

実は、阿弥陀如来の来迎の仕方には9つのパターンがあります!(「観無量寿経」という経典に記載)
生前にどのような行為を行ってきたかによって9つの等級に分けられるんですね。

そのパターンのことを、九品往生くほんおうじょうといいます。

九品往生は、まずは上品、中品、下品の3品にわけで、さらにそれぞれの品の中で上生、中生、下生の3つに分けます。
龍光山正宝院のサイトに分かりやすく書かれていましたので、表を引用させてもらいました。

じょうぼんじょうしょう
上品上生
生前なんらかの善業をした人 大乗を修める人 僧侶がお経を読んでいるところへ、仏・菩薩・飛天など大勢で迎えに来る。 金剛台
じょうぼんちゅうしょう
上品中生
僧侶がお経を読んでいるところへ、上品上生より小編成で迎えに来る。 紫金台
じょうぼんげしょう
上品下生
上品中生より、さらに小編成で迎えに来る。 金蓮花
ちゅうぼんじょうしょう
中品上生
小乗を修める人 僧侶がお経を読んでいるところへ、上品下生より小編成で、三名の導くための別グループが付属した形で迎えに来る。 蓮華台
ちゅうぼんちゅうしょう
中品中生
導くためのグループだけで迎えに来る。 七宝蓮花
ちゅうぼんげしょう
中品下生
一般的な善を行う人 中品中生にほぼ同じ。 金蓮花
げぼんじょうしょう
下品上生
善業をせず悪をなした人 身勝手な人 僧侶がお経を読んでいるところへ、三尊仏が迎えに来る。 宝蓮
げぼんちゅうしょう
下品中生
仏・菩薩が迎えに来る。
げぼんげしょう
下品下生
特に迎えのものは来ない。 金蓮花

上のランクに行くほど、たくさんの仏がたくさんの楽器を持って、華やかに迎えに来てくれます。

また、急いできてくれるので「早来迎」ともいわれていますし、逆にランクが低いとなかなか来てくれなかったりして、その間は往生出来ないそうです^^;
なので生前にどれだけ善を積むのか、どれだけ念仏を唱え、修行をし、仏に帰依するのかも問われているわけですね^^

来迎の様子を詳しく知りたいのなら、宇治の平等院鳳凰堂に行くと良いと思います。

平等院も浄土式庭園の形をとっていて、鳳凰堂は阿弥陀如来の周りにお供の雲中供養菩薩が飛び回っている様子が形になったお堂になっています。
来迎図も見ることができますよ^^

唯一残る九体阿弥陀堂

礼拝の時にはあれだけ彼岸への憧れを持ち、お薬師さんと阿弥陀さんにお願いをしますが、お寺の中では池をグルっと回ればすぐに彼岸にたどり着きます^^;
本堂は横長になった九体阿弥陀堂です。

浄瑠璃寺 阿弥陀堂

中には九品往生にちなんで九体の阿弥陀如来が祀られています。
またまたパンフレットから写真をお借りしました^^

浄瑠璃寺 九体阿弥陀

この形の信仰が盛んになったのは平安時代に恐れられた末法思想の影響ですが、応仁の乱や戦国時代を経て、塔・堂・仏像が昔のまま残っているのはここが唯一なんです。

なので、本堂や9体の阿弥陀坐像、そして一緒に祀られている四天王立像は国宝に指定されています。

そして、本堂1つのお堂ですが、中は一体一体の阿弥陀像を柱で区切るようにされていて、扉がそれぞれの阿弥陀の前にあるんです。

浄瑠璃寺 阿弥陀堂

本来、このお堂は人が中に入るようには作られておらず、外から拝むものだったそうです。

秘仏公開

浄瑠璃寺には3体の秘仏があります。
薬師如来像、吉祥天女像、大日如来像の3体です。

私が参拝した日は、秘仏 吉祥天女像の公開日でかつ、薬師如来像の公開日
ダブルで狙っていきました^^
本堂にある吉祥天女像は毎年、

  • 正月:1月1日~ 1月15日
  • 春季:3月21日~ 5月20日
  • 秋季:10月 1日~11月30日

に公開されます。
九体阿弥陀の中尊の隣に、厨子に入れられて公開されていましたが、きれいでした^^
鎌倉時代のもので、保存状態がよく、着物に彩色が残っているんです♪

本尊は写真撮影NGなのでここで紹介できませんが、浄瑠璃寺の吉祥天女像を模したフィギュアが通販で販売されています。

吉祥天女像 フィギュア吉祥天女像 フィギュア
(写真:仏像フィギュアの【イSム(いすむ)】より)

左が現存のものを模したもの、右は原型である極彩色におこしたものです。
本物はもう少しくすみ感、色落ち感がありますが、このフィギュア、よく出来ています^^

吉祥天は、毘沙門天の奥さんとも言われていて、繁栄と幸運の功徳を与える縁起の良い女神様です。
ぜひ本物を拝んでいただきたいです^^

また、三重塔にある薬師如来像は、

  • 毎月8日
  • 彼岸の中日(春分の日、秋分の日)
  • 正月三ヶ日

が公開日となっています。
なので、二つが拝観できる10月8日の参拝したのですが、大日如来も合わせてトリプルで拝観できる日が1日だけあります。

それは、1月8日
潅頂堂の大日如来像は、

  • 1月8日、9日、10日の3日間

となっています。
一番チャンスが少ないですね^^
なので、トリプルで見たい場合は、1月8日を狙っていきましょう^^

ちなみに、春分の日、秋分の日は、太陽がちょうど東から西へ沈むので、三重塔から日が登り、阿弥陀堂の上に沈んでいきます。
知らなかったらなんともない光景ですが、こういう世界観を感じながら参拝するのも趣がありますね^^

御朱印

浄瑠璃寺 本堂の御朱印です。

浄瑠璃寺 御朱印

“九本仏”と書かれています。

続いて、西国薬師四十九霊場 第三十七番の御朱印です。

浄瑠璃寺 西国薬師 御朱印

浄瑠璃寺では仏塔古寺第10番、関西花の寺第16番の霊場でもありますので、その御朱印も貰えます。


浄瑠璃寺の周辺は当尾とうの地区といって、当尾の石仏で知られている場所になっています。
結構な広範囲に散在しているのですが、浄瑠璃寺から岩船寺がんせんじまでの1.7kmの山道が石仏散策コースで知られています。

とはいえ山の中なので、散策するなら歩きやすい服装と、ガイドマップは持った方が良いですね。
大して舗装されていない道を歩くこともあるので、ガイドを見ないと、見逃してしまったり、方向も分かりません^^;
(スマホでgoogleマップではダメでした。山道は表示されません)

私はこちらを手にして、浄瑠璃寺 奥の院の方だけ行きました。

あと、浄瑠璃寺本堂の入堂受付でも、「当尾を守る会」が発行する「当尾の石仏マップ」が100円で売られています。
石仏の解説は上の本が、そしてマップはこちらの方が便利ですね。

浄瑠璃寺のアクセス情報

正式名称 浄瑠璃寺
別称 九体寺
TEL 0774-76-2390
住所 京都府木津川市加茂町西小札場40
開門時間 3月~11月 9:00~17:00
12月~2月 10:00~16:00
電車・バス
  • JR大和路線「加茂駅」よりコミュニティバス当尾線で約20分、「浄瑠璃寺前」下車 徒歩3分
  • JR奈良駅・近鉄奈良駅から奈良交通バス急行浄瑠璃寺行きで約25分、「浄瑠璃寺前」下車 徒歩3分
駐車場 普通車30台。300円
拝観料 境内無料。

本堂への入場のみ有料。
・中学生以上300円
・小学生150円
特別公開・注目の祭・イベント等 【吉祥天女像】
 正月:1月1日~ 1月15日
 春季:3月21日~ 5月20日
 秋季:10月 1日~11月30日

【薬師如来像】
 毎月8日
 彼岸の中日(春分の日、秋分の日)
 正月三ヶ日

【大日如来像】
 1月8日、9日、10日の3日間
御朱印情報
  • 西国四十九薬師霊場第37番 瑠璃光
  • 仏塔古寺霊場第10番 阿弥陀如来
  • 関西花の寺霊場第16番 九体仏
公式サイト なし

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