大津絵のことがよくわかる「大津絵入門」と「大津絵の世界」

大津絵入門

図書館に大津絵の本が特集で置かれていたので、入門になりそうなものを借りてみました。

大津絵が生まれたのは江戸時代。
その頃は、「東の浮世絵、西の大津絵」とも言われ、日本二大民画とされていたほど有名だったのですが、今はあまり知られていませんね。

“大津絵”は、こういうやつです。

大津絵 鬼の念仏

滋賀県大津市の園城寺(三井寺)の百体観音堂に飾られていた、「鬼の念仏」という画材の大津絵です。

これは、おそろしい鬼が布施をこうて歩く意外な姿を、偽善をなす人として表している風刺画になっています^^
こういう、ユーモアがあって面白い絵のパターンが何十種類かあります。
代表的なものは10種類に集約されます。

そしてこの2冊の本は、色々な大津絵が見やすく紹介されていて、「大津絵入門」の方は著者の石原 芦堂さんが描いた大津絵が画題となるパターンごとに解説を交えて紹介、「大津絵の世界」は現代にもまだ残っている大津絵を、描いた時代毎に掲載し、その特徴を紹介しています。
「大津絵入門」の方は、大津絵の描き方や、練習用の下絵なども載っていて、なかなか面白いです^^

大津絵はなぜ今あまり残っていないのか?というと、それは浮世絵のように飾って鑑賞することを前提に広まったわけではなく、信仰から始まったからです。

大津絵が有名になったのは、徳川幕府のキリシタン弾圧をしている頃。
その頃に大津絵が始まったそうですが、最初は仏画だったんです。

幕府は、キリシタンかどうかを確認させるために踏み絵などをやらせていたのですが、キリシタンではないという証として仏画が求められていました。
絵師たちはそれを狙ってなのか、大ヒットしたわけですね^^
松尾芭蕉も、

「大津絵の筆のはじめは何仏」

という句も残しています。
仏画を描く大津絵師が、1年の初めに何の仏から描くのか気になったようです^^

また、大津絵が描かれていた大津市近辺は、京・大阪から東側に向かう時には必ず通る道だったので、おみやげとしても買われていたんです。

大津絵が今あまり残っていないのは、そんな風におみやげとして買われるような量産絵画だったので、お寺で買うお札のように柱に貼って飾られて、そのまま自然と消滅していったと考えられています。

そして、キリシタン弾圧が落ち着いたら仏画のニーズも少なくなりましたが、その頃から次の手として風刺画を描くようになりました。
そういう教訓的・道徳的なところもまた再びヒットさせるに至ったんでしょうね^^

大津絵は、知るとなかなか面白い世界が広がっています。

でも残念ながら大津絵関連でこういうわかりやすい本はあまりありません。
この二冊を読めば一通りわかると思うのですが、企画展での販売だったりするんですよね。
「大津絵入門」の方は、かろうじてamazonでバーゲンブックとして販売されていました。

たぶん、なくなったらそのまま絶版なのかもしれません^^;

ちなみに、大津市内で大津絵が見られるところは、主に三井寺近辺。
「大津絵の道」と呼ばれている道があって、京阪浜大津駅から大津市役所を通って、皇子が丘公園までの遊歩道の所々に描かれています。

詳しくは、大津絵を販売している大津絵の店のサイトに書かれているので参考にしてみて下さい^^

大津絵をまとめて見れるところは、三井寺の隣にある圓満院門跡に併設されている大津絵美術館。
そんなにたくさんあるわけではないのですが、色々なパターンの大津絵を見ることができます。

また、圓満院門跡のすぐ近くにある大津歴史博物館では、大津絵の企画展示もよく行われていて、今回紹介した本、「大津絵の世界」も販売されています(無くなったら終わりかも?)。
そして、入口はいって右の方にいくと、無料で見れるビデオがあります。
その中に大津絵を制作している様子をうかがうことができますよ^^

また、京阪浜大津駅の近くにある三井寺力餅本家は、2階の一室が大津絵のギャラリーになっています。
力餅も美味しいですしゆっくり見学できるので、こちらもオススメです♪

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